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君と僕とで描く未来

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連載小説No.1です。 読んでいただけると幸いです。
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君と僕とで描く未来【連載小説No.1-3】

君と僕とで描く未来【連載小説No.1-3】

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本編↓↓↓

シャワーを浴びて翔悟の家に向かうと家の前に男の人が立っていた。翔悟ではないがどこか翔悟と似ている。悟は直ぐにそれが翔悟の父だと気づいた。
「おはようございます。」
恐る恐る挨拶をしてみると意外とさっぱりとした優しげな声が聞こえた。
「おはよう。悟くん久しぶりだね。」
悟が翔悟の父に会うのは小学校6年生の時以来だ。子供だけでは危ないから、

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君と僕とで描く未来【連載小説No.1-2】

君と僕とで描く未来【連載小説No.1-2】

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翔悟は泣いていた。久しぶりに見る翔悟の涙に再び悟は戸惑う。
「どうした、何も泣くことは無いだろう。」
「俺さ…」
翔悟はぽつりぽつりと静かにゆっくり話し出した。
両親から悟とは違うんだから、と毎朝のランニングどころか一緒にいることさえ反対されていたこと。見返したくて頑張っていたこと。それでも悟に追いつけなくて悔しかったこと。悟と居たから京大に行きたいと思ったし

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君と僕とで描く未来【連載小説No.1-1】

君と僕とで描く未来【連載小説No.1-1】

未来の僕達は何をしている?
誰にも分からないこの問いの答えを僕達は探していく。

「澄み渡る空気を吸いながらのランニングはとても気持ちいい。」
朝5時半、この街で1番大きな川を渡る橋の上を駆け抜けながら悟(さとる)は呟いた。
「夜中に車が通らなくなって排気ガスがどこかへ流れて一帯の空気がリセットされた気がする。だから朝の空気は美味しく感じるんだよ。自論だけど。」
「ああそれ俺も思ってた。夜はまだ空

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