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アフタースクールウォーズ、或いはオヤジ達のカワイイ戦争

「ゲンGが死んだ!この人でなし!」
 2-X組教室後方のドアに築いたバリケードからモブカワイイ悲鳴が上がる。
 前方ドアのバリケードに陣取っていた俺が視線を向けると、黒髪ロングに大きなリボン、大正チックな和服制服の美少女(この作品に出てくる少女は皆美少女なので、以下少女と略す。少女と書かれていたら美少女のことである)が大の字で倒れていた。
 保健委員のワッペンを腕に巻いたおかっぱセーラーの少女が和服少女の腕を取り、脈を確認して首を振る。
「くそっ、第二次世界大戦を生き抜いた長老がこんなところで・・・ッ!」
「さすがにそこまで年いってないだろ。え?いってんの?」
「どうだろ?」
「知らん」
「是非もなし」
「草」
「一体何が始まるんです!?」
「第三次大戦だ」
 教室のあちらこちらで黄色い悲鳴が上がる。
 俺は教壇で座禅を組み、瞑目しているおさげ眼鏡の少女に視線を向けた。
「委員長、どうする」
 彼女はうっすらと眼を開いた。

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