最高の日曜日のすごしかた
このあいだの日曜日は、
珍しくお互いの予定がぽっかりと空いた日だった。
そんな日珍しく早起きをした。
家を空けていた日が続いて、すっかり荒れた我が家を箱ごとひっくり返すように片付けた。
たっぷりと洗濯機を回す。
快晴の空に、ぱたぱたと揺れる洗濯物を見るのが好きだ。
酒蔵で買った酒粕をたっぷり使って甘酒を作る。その間はしばらく観ていなかった大好きなＤＶＤを流した。
「しあわせのパン」という、北海道のちいさなカフェが舞台の、それはそれはやさしい映画。
いつかこんな生活をしよう、と思い出させてくれる。
できたばかりの甘酒を飲みながら映画を観ていたら、夫が近くへ買い物を行くという。
天気もいいので、ついて行くことにした。
ペタンコのサンダルに、いつもの肩かけバッグを用意した。
買い物の通りには大きな川があって、久しぶりに川辺を歩きながら向かった。
ふわりと流れるやさしい風も、海だと錯覚するような鳥が何羽か飛び交い、時間がゆっくりと流れる。
買い物は、引越し当時に何度も通った雑貨店。
ちょうど一年前飽きるほど言ったねえと話しながら、最小限の買い物をした。
帰りに寄り道をして、ちいさなデパートのフードコートにある今川焼きを買った。
小さいころよく母と寄って食べた、懐かしい味。
「限定の味がある、買わなきゃ。」
と言いながら夫もお財布をいそいそ出して買い出す。
行きも通った川辺の、岩の段差に座って食べた。
高いところが得意ではないので
「足がぞわぞわする」と笑いながら食べた。
キラキラ光る大きな川を見ながら
「たくさんたくさん、選択してきたなあ」
とぼんやり思った。
このささやかな日を過ごすために
私はこの一年たくさん泣いたな。
それでもよかった。と思える。
最高にしあわせな１日だ。
昼間に干したふかふかのお布団で、２人でおやすみ。
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