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身体が教えてくれるクライミング

3連休、3連登の2日目、身体にボチボチダメージを感じ始めます。
打撲、指皮のヒリヒリ、そして筋肉痛。筋肉痛になって喜ぶ人もいますね。
「超回復して最大筋力が上がるぞ」という喜びはクライマーでなくとも、運動に取り組んでいる方は結構わかるように思います。
今回は筋肉痛について、少し書いてみようかなと思います。

筋肉痛になる場所

クライミングを始めたての方は、前腕に筋肉痛が起こると思います。クライマーの前腕が異常に発達していることをみても、前腕に負荷のかかる運動であることは間違いないことですから、誰もが通る道ですね。
一方でいろんな課題を触るに従って「なんか変なところが筋肉痛になった」というタイミングありますよね。例えば、右の大胸筋だけとか、脛のところが筋肉痛だとか‥。課題特有のムーブで使う筋肉は、その課題にトライしている間に強烈な負荷がかかるけれど、トライをやめたら他の課題ではそこまで使わないので、負荷が掛からなくなるわけです。一時的に強くなって、終わったら弱って‥というのを繰り返しているんでしょうから、筋肉が耐えられる負荷はそこまで向上せず、たまに猛烈な筋肉痛となって現れるわけです。”課題に体を合わせていく”というのは、特有の筋肉発達を促していくことなんだろうなと理解できます。(故W・ギュリッヒ氏がアクションディレクトに合わせてトレーニングした話は有名ですね。筋肉だけでなく、腱や神経系の発達でも体を合わせたんだと思います。強烈なポケットの連続、しかもポケットをランジで止めるというルートですから‥!)

そこで私は思ったのですが、「クライミングで汎用的に使う筋肉は使用頻度や負荷が高いから、発達しやすく筋肉痛になりにくいはずだ。フォームの練習をしていて、変なところが筋肉痛になったり、違和感が出たりするのは、普段のフォームとのギャップを体が教えてくれているんじゃないか」。
つまり”理想としているフォーム−現状のフォーム=筋肉痛”なんじゃないかと。※正しいフォーム、ではなく理想としているフォームです。

技術とフィジカルの向上順序について

以前私は、「技術が先行して必要なフィジカルを後からつけるべき」という考えを記したわけですが、実際には以下のようになりそうです。

①現状の登り(フィジカル、技術共に理想から遠い状態)
②技:理想の登りの具体的イメージ、細分化
③技:技術向上のための反復練習
④体:現状と理想のギャップに体が反応する(筋肉痛)
⑤体:理想のフォームに必要な筋肉が発達
⑥体:筋力発達によりフォーム精度が上がる
⑦技:精度が上がった状態での反復練習
⑧技:技術面で無意識有能の状態に到達
(①に戻る)

まとめてみたら「技術→フィジカル→技術」というように進んでいますね。
上手くなってから強くなる、だけでは片付けられなかったわけです笑。
この順番で分岐点となりそうなのは②、③、⑦の部分です。身体の反応は自動的に起こりますから、人間が辞めるか続けるかが向上/停滞の分かれ目ですね。さらに②はどれだけ理想を具体的にイメージしているか、頭の中で理想と現状のギャップを細かく認識できているかなので、上達サイクルの起点となります。考えを深めていくだけが方法ではなく、近くに憧れのクライマーがいて、登りを頻繁に見るというスタート方法もありそうです。

まとめ

体と頭、トレーニングを続ける忍耐力とモチベーション、クライミングは難しいですね。


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