見出し画像

Z世代の採用ブランディング〜前編〜

今日は、「Z世代(1990年代後半から2000年代生まれの人)」についてお話しをします。2022年4月現在11~22歳の年齢を言います。世界人口の32%がZ世代。2040年くらいには、完全にZ世代がビジネスの主役になります。
ここ数年の印象ですが、2014年前後に企業が重視をしていたのは、お金を使うシニア層だった。一方で若者は「お金を使わないから」と、企業もあまり眼中に入っていなかった印象がありました。

しかし2019年に若者たちは「Z世代」と呼ばれ、シニア層との立場が逆転。
企業の興味関心がますます、急増する結果に。

画像1

「Z世代」という言葉はもはや、世界を巻き込むトレンドですね。

同時に注目され始めた言葉としてSDGsがあります。
2030年に向けて、世界がサスティナブルな社会を作ろうと動いている現代。

SDGsが促進されている世の中で生まれ育ったZ世代。学校教育でもSDGsのあり方を教育として学んできたZ世代でもあるので、企業もSDGsに対する価値観を視野に入れ、明確な取り組みを可視化し、ビジネス戦略を立てていく必要があります。
これから経営者や事業推進をされる方々、Z世代を採用していく人事の方々はぜひ、ご覧ください。新事業の取り組みや事業再構築時のマーケティングやブランディングを考察する記事をまとめさせていただきました。

▼この記事でわかること
Z世代の価値観
若者にとってのSDGsとは
Z世代の生い立ちと育った環境

「今の時代の若い子らは...」といつの時代にもあるようなことを言っていても仕方がありませんし、これから活躍してくれるZ世代を採用するようであれば、Z世代をより深〜く、知らなくては話になりません。「自分たちが採用された時代」の知識のままでアップデートをしないと、いつまでも古臭い企業のまま世間に置いていかれ、衰退していくでしょう。

では、Z世代がどのような環境で育ってきたのか?
若者の価値観について触れていきます。

若者が育った環境と自分の世代の環境を比較していただきながら、
違いを認識して、どのようにすれば、Z世代の採用やビジネス構築に繋げられるのかを考えてみてみましょう。

画像3

2030年に向かうZ世代
大学生の描く未来って、どんな未来?

今まで日本で、生産を支える人口のメインだったミレニアル世代(1980年代後半から1995年に生まれた人)。私自身もその一人です。
それが2025年には、Z世代に追い越されることが迫っていることをご存知でしょうか。つまり企業はZ世代をターゲットとし、その深層心理や行動心理などを理解していくことが必要です。

未来をになうZ世代。

Z世代真っ只中の現大学生は、どんな未来を想い描いているのでしょうか。
そしてSDGsの存在は、Z世代の価値観にどう関わっているのでしょうか。

私も毎年デザイナーの専門学校で客員講師をしており、19〜22歳前後のクリエイティブ学生と対話をする機会や、課題でも「未来会議」などでプレゼンをしてもらったりしています。2年間で150人以上のZ世代が考える未来を知る機会がありました。「え?そんな風に考えるだな〜!すごッ!」なんてことも多々あります。ミレニアル世代の私でも全く持って思考が違うことを知ることに気づきます。

そんなZ世代のニーズを満たせるもの、未来に求めるものを企業が提供できるのかが、これからのビジネスではカギになります。

画像3

Z世代の成長背景とは?
ネット環境と電子機器の変化

内閣府の調査(2019年)でZ世代は、自分専用のスマートフォンを持つ小学生は全体の40.1%だということが分かっており、小さな頃からスマホやSNSという環境が出来上がっている状態で育ってきたソーシャルネイティブ世代とも言われてます。

ゲームで遊んだり、1人1台スマホを持っているのは当然な時代に育った子供たちは、どんな価値観を育ててきたのでしょうか。

では、Z世代がどう生きてきたのかを、流れでみていきましょう。
2001年生まれのZ世代を例にあげてみます。

✅2001年生まれの小学生時代
・家族での思い出はWiiでゲームを楽しんだこと
・小学校で東日本大震災を体感
・たまごっちをして遊ぶ
・友達とDSで通信ができる

小学生のころに東日本大震災が発生し、震災や自然の恐ろしさを幼いながらに体感した人も多いでしょう。
ゲームが身近になった時代背景があるからこそ、家族でテレビゲームを楽しんだり、友達とゲームを持ち寄って通信したりするのが当然の時代。

✅2001年生まれの中学生時代
・LINEが流通し友達と24時間連絡可能になる
・インスタグラムに映える写真を投稿する
・盛れるカメラを使うのが当然
・自分と同世代のAKBに夢中になる


1人一台スマホを持っている時代に、LINEアプリが流行り始めました。
友達と簡単に連絡先を交換し、いつでも気軽に連絡が取れる時代になっています。カメラに盛り機能がついているアプリが人気になり、頭に猫耳がついた加工をして楽しむ中学生が増えました。友達と簡単に連絡先を交換し、いつでも気軽に連絡が取れる時代になっています。カメラに盛り機能がついているアプリが人気になり、頭に猫耳がついた加工をして楽しむ中学生が増えました。

✅2001年生まれの高校生時代
・インスタで情報を取得するのが普通になる
・ネット広告費がテレビ以上になる
・YouTuberがはやる
・鬼滅の刃がヒットする

インスタグラムが本格的に流通し、情報源として利用する人が増えてきました。
今までは大きな企業が作るホームページなどから情報を取得していた時代でしたが、Z世代が高校生になる頃には、個人が有力な情報源になる時代になっています。

✅2001年生まれの大学生時代
・コロナ禍になる
・Netflixを使うのが普通になる
・TicTokで配信する友達が増える
・5Gが始まる

2020年になり、成人を目の前にしてコロナが流行した時代。
期待していたキャンパスライフも満足に送れず、オンライン受講が主流になってしまったため、将来に対する不安を漠然と抱える学生も珍しくありません。私もこの時期に初めてオンライン授業を実施。顔も見えない中、本当に聞いてもらえているのかわからないので、教える側も不安でした。

家でVODサービスを使ったり、SNSを通して友達と繋がるのが当然になりました。さらに、YouTubeなどの動画配信サービスも、ライブ配信へと乗り出していく時代です。

画像4

Z世代の価値観とは?
多様性に寛大

SNSやデジタルがグングン成長した時代に育ってきたZ世代。
彼らの価値観は、ネットという存在がより近い時代であることに、大きく影響されて形成されたように思います。

今回は、その特徴のうち企業がおさえておきたい3つを、具体的にご紹介していきます。

✅  1. 多様性には寛大でも孤立には敏感
✅  2. デジタル化に対するリテラシーが高い
✅  3. 他人の目を気にして発言する環境

それぞれ具体的にご紹介します。


画像5

< Z世代の特徴的な価値観 >
1.多様性には寛大でも孤立には敏感

1人1台スマホを持ち、1人1つ以上のSNSアカウントを持つのが当たり前の世代です。以前と比べてより多様な人と簡単に繋がれるからこそ、多様性に対して寛大な価値観を持つ若者が多いです。

今までは、みんな同じであることが良しとされていた時代でした。
人と違う特徴を持つ人がはみ出しもの扱いをされてきたからこそ、個性が認められにくかったように感じます。今でこそ、青色や赤色などの髪の毛をした若者が増えましたが、私が高校生の頃に金髪にして、髪の毛をホワイトカラーにしたら、めちゃくちゃ怒。親からも先生からも黒に戻しなさい!の一点張りでしたし、友達からも冷たい目線を感じていました。そういう意味でも個性を尊重される時代になったなぁ〜と羨ましくも感じています。

例えば、Z世代は以前と比べてLGBTなどに対してもより寛容で、人の価値観や考え方は違って良いものだと思っている人が多いです。

一方で、人それぞれが違う個性を持っているからこそ、1人になってしまうことを恐れるという特徴も。
自分の個性が人と違うからこそ、他に同じ人を見つけてコミュニティーに属したいと考えます。

1人になるというのは、どの時代でも不安の要素となるようです。


画像7

< Z世代の特徴的な価値観 >
2. デジタル化に対するリテラシーが高い

SNSやネット環境が急速に成長したからこそ、デジタル化されたものへの適応力が高いです。しかし同時に、安全性についても敏感な世代です。

いかにSNSがこわいかを実感し、隣り合わせになって成長してきた事により、ネットリテラシーがミレニアル世代と比べても高いことは明らか。

デジタル化が便利の象徴である一方で、危険との距離も短くなったことを感じているからこそ、デジタルへの期待が大きすぎないのもZ世代の特徴でしょう。

Z世代はより安全な媒体を見分けようとする世代だからこそ、サービスには今まで以上の安心感を添えて提供しなくては、選ばれないでしょう。

<Z世代の特徴的な価値観>
3. 他人の目を気にして発言する環境

SNSは、自分らしさを簡単にアピールできる手段になっています。
気に入ったメイク・ファッション・考えなどの価値観を共有しやすい環境を楽しむ人がいれば、共有された情報をみるのを楽しみにする人もいます。

しかし、簡単に価値観を発信できる時代だからこそ、周りからの評価に対して気を配ろうとする気持ちも出てきます。1つの発言がすぐに炎上してしまう今の時代は、自由度を高めると同時に、「間違ったことは言ってはいけない」という窮屈さも感じさせているようです。

画像6

Z世代は未来に不安を抱えている...

日本の経済は、他国に対してバブル崩壊後、景気が落ち込んだ時にメスを入れる形式で財政出動することで意図的に景気を引き上げてリスク回避。反面膨らむ財政赤字を埋めるために消費税率アップ...。再び、景気を悪化させる...。これを繰り返し、30年間の低迷を生み出した。名目のGDPは上がっているように見えるが、実経済の生産性は低下し、少子高齢化が続く中、新世代の価値観をなかなか受け入れない国民性、企業体制。このままでは、明らかに日本は、右肩下がりの道を進んできています。
そんな中で、コロナ禍となり制限が多くなった時代背景に生きる若者たち。
将来に不安を抱えるのも、当然と言えるでしょう。

次の記事では、Z世代の描く「未来」に焦点を当て、企業が何をすべきかをより具体的に考えていきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?