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先生がいない学習塾を開校したら面白いことになった話

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皆さんはじめまして。
学習塾GRIT塾長の西上です。

私は株式会社グリットの代表を務めながら学習塾GRITを運営しております。
学習塾GRITは静岡県浜松市で5月15日に開校し、今月で3ヶ月が経過しました。

GRIT看板デザイン 黒

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なぜ5月15日に開校したかというと

(みなさんご存知のとおり)私の27回目の誕生日だったからです!!!
#単純な男

それだけです!!!

自己紹介が遅れましたが、私の生まれは大阪府堺市(の田舎の小さな村)で中学3年までは大阪で野球一筋の生活を送っていました。

野球小僧1

野球小僧2

野球小僧3

はい。まんまる野球小僧です。
#典型的な野球小僧
#誰かドラマで使ってください


そして、野球留学(他府県で寮生活をしながら高校生活を過ごす)をするために卒業時に単身で大阪を出て岐阜県の可児市(クソど田舎)にある帝京大学可児高校に進学しました。
#口を慎め

その後はなんやかんやあって今に至ります。

こんな僕の生い立ちより現在手掛けている事業内容の方が世の中の役に立つと思いますのでここから本題に移りたいと思います。

この記事の目次

先ほども記しましたが僕は3ヶ月前に独立して学習塾を設立しました。
もともと学習塾を運営する会社に務めていたのですが、どうしても自分の教育観を反映させることができる形で仕事(塾運営)がしたかったので昨年決断し、4年で会社を退職しました。
会社を退職して独立したいと思うきっかけとなったのは株式会社GOAL-Bの松田さんのコーチングを受けたことです。

【GOAL-Bの松田さん】
note : https://note.com/matsunnn
Twitter : https://twitter.com/matsuda_goalb
GOAL-BのHP : https://goal-b.co.jp/coaching

この経験についてはまた後日にnoteで書きたいと思います。

今回のnoteでは以下の4点について書いています

・学習塾GRITの特徴
・なぜこの形式の学習塾にしたのか
・この3ヶ月での生徒の成長・学習成果
・仮説の検証結果

少し長くなりますがどうかお付き合いください。


学習塾GRITの特徴

学習塾GRITの最大の特徴は
塾内に【先生がいない】ことです。
多くの一般的な学習塾は先生が常駐し、先生主導で授業が進行されていきますがGRITではこのような授業形式は一切行なっていません。
なぜなら先生主導の授業形式では生徒の学び自体が受動的になってしまい時間対効果のコスパが悪くなってしまうからです。

例えば学力を3段階で分けて考えてみると、どの学力層にとっても先生主導の授業形式はデメリットだらけだとわかります。

・学力上位層:自分のペースでどんどん学習したいが先生主導だとそれができない

・学力中間層:自分の苦手な単元の復習をしたいがそれができない

・学力下位層:できない単元を深掘りして自分に足りないところを追求したいがそれができない

先生・生徒ともに人間なので互いの相性(分かりやすさ・好み等)もあるため、1人の先生から学ぶスタイルは理にかなっていません。


そもそも集団授業形式は19世期頭にイギリスで開発されたペル・ランカスター方式に始まるとされています。
インターネットが普及し、誰もが場所を選ばずに高水準の教育を無料で簡単に受けることができる現代で、未だ19世期の教育システムが当たり前のように行われていること自体がやばいんです。

学びのコンテンツが多様化されている現代において
統一の授業を受けさせることがあまり効率的でないと言えます。

ではここからは学習塾を授業形態の種類別で分けて考えてみましょう。

現在、学習塾の形式は大きく分けると4つの形があります

・集団授業
・個別授業
・家庭教師
・オンライン授業

集団授業形式の学習塾はどこもほとんど学校の授業形式と変わりないので割愛しますが個別指導塾はいくつかのパターンに分けることができます

・1:1のマンツーマン授業
(例)家庭教師のトライさん、KATEKYO学院さん…など
・1:Nの個別授業
(例)明光義塾さん、ヒーローズさん…など
・チューター形式の個別授業
(例)公文さん、学研さん…など

近年、個別指導塾の授業システムはどこも似たような形になってきてるので、個別授業塾で授業システムの差別化を図ろうとしてあまり効果を生みません。
こうなってくると塾ブランドが強い方(大手企業)が圧倒的に有利になります。資金力があり、認知度もある学習塾が強い。ということです


さらに現状では『塾がどこも同じなら「みんなが通っているから」という理由で学習塾に通う』ケースがほとんどです。
そしてほとんどの場合、自分に合わないと感じたら次の選択肢(退塾して別の塾)を取ります。

このように学習塾業界では
【大手 →  中・小企業 → 個人塾】の順で塾を選択する流れがおおよそ決まってしまっています。

しかしここで問いたいのが「保護者さんは自分の子どもの成績を上げるためだけに塾に通わせるのか?」ということ
保護者さんの中で塾に通わせる目的(理由)は一体何なのか?
その疑問を少しでも晴らすために5年間で723組(保護者さん912人、生徒1034人)にアンケートをとりました。
#結構苦労したよ

すると結果は意外なものになりました

アンケート.001

成績の向上や勉強習慣をつけることは当たり前ですので高い回答率を得ていますが注目するのは「コミュニケーション」です。学習塾内でコミュニケーションを取る機会を増やしてほしいという意見が年々上昇傾向にありました。
この結果より僕自身の中で一つの仮説が生まれました
それは『学び方が多様化した現代において成績を上げるために塾に通うことは当たり前で、それにプラスαで学校以外でのコミュニケーションの場として塾に通ってもらいたいと思っている保護者さんが増えてきている』ということです。
インターネットが普及し、誰もが簡単に情報を検索できる時代において「成績」と同等かそれ以上に「体験」に価値が出てきたのではないかと思っています。

そこで学習塾GRITでは(成績アップは大大大前提のもと)このような「体験」に価値を置く形で提供したいと思い次のような授業システムを設計しました

【学習塾GRITの授業の流れ】

『通常期間』

① 生徒本人と面談を行い、現状の確認と最終到達点(目標点)までのギャップを共有する
② 塾内で生徒同士のバディやグループを組む
③ 個別授業以外の時間は基本的にそのバディやグループで活動する
④ 進捗管理は全て「小テスト」で行う 
 → 個別授業はあくまで個人サポート
⑤ できなかった問題は友達に聞くor自分で調べて解決する
 (方法は問わない)

『テスト対策期間』*定期テスト3週間前

① 生徒本人と面談を行い、現状の確認と最終到達点(目標点)までのギャップを共有する
② バディやグループを解散してGRIT全体で一つのグループを作る
③ アウトプットはひたすら過去問。とにかく過去問。
④ できなかった問題は友達に聞くor自分で調べて解決する
  (方法は問わない)

『夏期講習期間』7月下旬〜8月 *現在実践中

① 生徒本人と面談を行い、現状の確認と最終到達点(目標点)までのギャップを共有する
② 学年別(学校別)でバディorグループを作る
③ 上級生は「チューター役」として下級生のサポートをする
  *質問がない時は自分の勉強をする

GRITで体験できる価値は
人に情報を伝達する(教える)経験 と 組織を通しての目標達成の経験 です
従来の学習塾の授業システム上、ほとんどが「個人戦」になっていますがGRITでは「団体戦」になります。
バディやグループを組み、互いに競い合いながら進んでいく
「*スクラム勉強法」を用いています。
*詳細を知りたい方は漫画「ドラゴン桜」を参照

多くの学習塾では
単元のポイントを先生が説明(解説)する
→ 問題を解く
→ 間違えたところを先生が解説する

という流れで授業が進んでいきます。

しかし、このプロセスでは生徒が主体となって能動的に行う行動は
「問題を解く」だけになってしまいます。
*「生徒が問題を解かないと次に進めない授業構造」の時点で
果たして能動的と言えるのか甚だ疑問ですが。。

あとは結果(点数)に対して先生からのフィードバック(解説)を待つだけです。

しかし、GRITでは問題を「解く」だけでなく「教える」といった行為から学びを得ることができます。
なので塾に来て「友達に解説」だけをして帰る子もいます笑
#めちゃくちゃ助かる

こうした双方向のコミュニケーションを継続して行うと目の前にある物事(問題)を抽象化して自分なりに考え、具体策(解決策)を導く力が養われます。
こうした「経験」は学校ではなかなかできませんし、従来の学習塾でも実践しているところはほとんどないと思います。

まだまだ開校したばかりなので生徒がこれから増えてくるとうまく機能するのか分かりませんが
とりあえず前回実施された定期テストではGRITの全生徒に効果がありました
*詳細は下述しています

なぜこの形式の学習塾にしたのか

ここからは、私がなぜこのような学習塾を作ろうと思ったのかについてお話しさせていただきます。

私は大学卒業と同時に学習塾を運営する会社に就職しました。
本来であれば1年目は「副教室長」として会社のノウハウの理解やビジネススキル習得に奔走するのですが、私はいきなり同期と一緒に一つの教室を「教室長」として任されることになりました。

教室長は売り上げや講師・コスト管理など、行う業務はほとんど経営者と同じなので本当に大変でしたが、おかげさまでいろいろなことを学ばせていただきましたし、いろいろな経験をさせていただきました。

そして2年目を迎え、4月から1人で教室運営するようになり、今まで以上に自分の教育観を現場で実践できるようになりました。

生徒人数もだんだん増えていき、夏期講習を終える頃(8月末)には生徒数が本部(直営校)史上最高人数となっており、全国に約230校ある中で全国3位の成績を収めることができました。

しかし9月以降に大きな問題を抱えることになります。
それは【講師不足】です。

自分が担当していた校舎は地方の中でも田舎で、近隣に大学生がほとんどいない地域でした。
なので生徒は集まってもなかなか講師が集まらない問題が発生してしまったのです。

そして、この年の9月の講師人件費率(講師にかかる人件費を売り上げで割った値)は何と3.2%でした。

この数値は個別指導の学習塾を運営されている方なら分かると思うのですがあまりにも低すぎる比率です。本当にやばかったんです。

僕が勤めていた会社の塾運営は個別指導塾で、生徒人数最大5人に対して講師の先生1人担当する設計となっています。

生徒単価が1時間あたり約1500円前後なので仮に時給1200円の講師の先生が1人で生徒を5人担当したとすると単純計算で人件費率は16%になります。

これが3.2%だったということは、、、恐ろしくて計算したくありません。。
#時給1200円の講師1人あたり25人の生徒を対応している計算だなんて口が裂けても言えない

この緊急事態時に苦肉の策として講じたのが
圧倒的な量のアウトプットループ生徒同士で教え合う環境提供でした。

そしてこの仕組みを実践した次の定期テストではなんと過去最高の成績アップを子どもたちが実現してくれました。
#成績が上がったからよかったものの
#下がってたらと思うとゾッとする
#子どもたちに大感謝
#このテスト後に大感謝祭と銘打って豪華景品を揃えたビンゴ大会を開催したことは前会社に報告していません
#この場を借りて謝罪します

この経験で、ふと【学習塾に勉強を教えるだけの先生はいらないんじゃないか】と考えるようになりました。
まだ自分の中で確信が取れなかったのでここから3年かけて現場で実践をしてみることにしました。

すると以下の結果を3年間で得ることができました

・成績下位層の生徒の成績が平均3〜4割上昇
・成績上位層のケアレスミスが激減
・友達紹介の入塾数が全体の7割を超える
・成績下降による退会率が減少する

学習塾運営においてめちゃくちゃ理想的なサイクルに入ったと感じましたが、会社運営で進める以上、授業システムを変更することはできませんでした
#FC展開していたので大人の都合があった
#当時は本当に生徒たちが成績を上げてくれたから本当によかった
#上がってなければ ◯刑

そして私はこの授業システムを反映させるためには自分で学習塾を開校させるしかないと思い、昨年の11月に独立する覚悟を決めました。

この決断の後押しになったのが、先述したGOAL-Bの松田さんとのコーチングセッションです。
【GOAL-Bの松田さん】
note : https://note.com/matsunnn
Twitter : https://twitter.com/matsuda_goalb
GOAL-BのHP : https://goal-b.co.jp/coaching
#2回目の宣伝
#何度も宣伝したいと思えるほど本当に感謝してます

このコーチングセッションの感想は後日noteで書きます
#何回言うねん

開校後3ヶ月での生徒の成長・学習成果

ここからはGRITに通ってくれている生徒たちの成長記録と学習成果について書いていきます。

[中学3年生の女の子]学力:上位層

6月の学習記録
通塾日数:8日
勉強時間:18時間
小テスト受講回数:9回

7月の学習記録
通塾日数:18日
勉強時間:46.24時間
小テスト受講回数:38回

【5教科のテストの点数】 前回 → 今回
*浜松市は250点満点です
数学 32 → 31
英語 41 → 43
理科 35 → 37
社会 33 → 38
国語 38 → 41
合計 179 → 190

[中学2年生の女の子]学力:上位層

6月の学習記録
通塾日数:8日
勉強時間:17時間
小テスト受講回数:6回

7月の学習記録
通塾日数:10日
勉強時間:20.54時間
小テスト受講回数:28回

【5教科のテストの点数】 前回 → 今回
*浜松市は250点満点です
数学 39 → 45
英語 35 → 38
理科 37 → 41
社会 37 → 42
国語 36 → 42
合計 184 → 208

[中学2年生の男の子]学力:下位層

6月の学習記録
通塾日数:13日
勉強時間:21時間
小テスト受講回数:17回

7月の学習記録
通塾日数:20日
勉強時間:38.36時間
小テスト受講回数:32回

【5教科のテストの点数】 前回 → 今回
*浜松市は250点満点です
数学 8 → 15
英語 24 → 21
理科 8 → 26
社会 5 → 28
国語 14 → 10
合計 59 → 100

[中学2年生の男の子]学力:上位層
*オンライン会員の生徒

【5教科のテストの点数】 前回 → 今回
*浜松市は250点満点です
数学 41 → 47
英語 27 → 38
理科 21 → 36
社会 31 → 36
国語 26 → 23
合計 146 → 180

仮説の検証結果

次に私自身が毎日行なっている仮説・検証の一部結果を共有させていただいて終わりにしたいと思います。

【仮説その1】YouTube見放題の環境でも生徒は勉強する
・現状では勉強系以外の動画を見て時間を潰す様子はありません。
むしろYouTubeの検索履歴が「学習解説動画」の項目で埋まります笑

【仮説その2】アウトプット量は成績アップに比例する
・小テストの受講回数が一番多い生徒が一番成績を伸ばしています

【仮説その3】復習単元を理解していなくても予習単元に取り組んだ方が良い
・GRITでは遡行学習をほとんど行なっておらず、予習単元に必要な知識の遡行学習のみ行なっています。現状の結果では成績下位層だった生徒が予習単元ではほとんどの小テストで満点をとっています。

【仮説その4】個人で学ぶよりバディやグループといった複数人で学ぶ方が効果がある
・まだまだ塾内の生徒人数が多くないので複数のグループは作れていませんが、バディ制で取り組んだ生徒たちは全員前回の定期テストの成績が上がりました。

【仮説その5】数学の点数を伸ばせば他の教科も伸びてくる
・抽象的な問い(問題)を具体的な方法(解決策)で解くプロセスを重要視する数学の点数が伸びると他の教科にも良い影響が出るのではないと考えている。数人の生徒を対象としているが今のところ数学の点数は上がっているが他の教科への影響は見られていない

【仮説その6】上級生が先生をすると先生役の上級生の点数が上がる
・2時間ほど高校3年生に中学3年生の授業を行なってもらいましたが効果はまだ見えません。
*学年が離れすぎていると効果が出ないかもしれないと考えています。理想は1学年差(高校1年生が中学3年生に指導)です。

まとめ

ここまで私の拙い文章を読むために貴重なお時間をくださりありがとうございました。

最後に私の今後の夢を語って終わりたいと思います
#これだけは本当に叶えたい

私の夢は「学校を建設する」ことです。
そしてその学校にはもちろん「先生」はいません。
子どもたちだけで学んでいきます。

今の学校教育は大人の都合で子どもたちに制限が設けられてしまっているため、このままでは教育業界に面白い未来は待っていないと感じています。
#ツーブロック禁止やスマホ禁止がまさに典型的な大人の都合

なので私は教育業界をアップデートし続け、面白い未来を作っていくために自分がすべきことをやり抜きます。
#唐突のGRIT

ここまで偉そうなことを言ってきましたがまだまだ結果(生徒人数)が伴っていないので説得力に欠けると思います。
今後も学習塾GRITでの取り組みや検証結果をSNS等で発信していきますので興味がある方はぜひ覗いてみてください!

【SNSアカウント一覧】
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「あざっっす!!!」と野球部で鍛えた最高のお礼(お辞儀)をさせていていただきます!!

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