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せとうちの島影から

ヘッダーにも使った写真の風景は、2019年10月のある日、瀬戸内国際芸術祭で訪れた小豆島からフェリーで新岡山港への帰途、四国方面を振り返って撮ったもの。シンメトリー的でちょっと不気味な気配もある素敵な形の島影が、夕暮れが迫る柔らかく優しい光に覆われた穏やかな瀬戸内海に楽しいニュアンスを与えていた。やがてもっと薄暗くなる頃、この島の山腹から無数のコウモリが続々と、そして最後に巨大コウモリが飛び出てくるかも…
島の名は小豊島(おでしま)。どちらも瀬戸芸の会場として賑わう小豆島と豊島の間にあって、会場から外れフェリーも立ち寄らず、静かに悠然と佇んでいるようだ。山がちで平地に乏しく人口も少なそうだが、Wikipediaによれば「小豆島オリーブ牛」ブランドの牛の飼育が盛んで人より牛の数のほうが多いとか。
近頃ではインバウンド旅行客からの関心が高まっている瀬戸内海への旅。現代アートスポットを起点に、特有の海の風情や歴史文化に加え、ユニークで高品質な宿や船も創られている。国内の私たちにとっても、穏やかこの上ないこの内海の風情にふさわしい、静かでクリーンな小ぶりの帆船か電動船に乗ってゆっくり旅する贅沢を味わいたいと思う。たくさんの島影に様々なイメージを膨らませながら。

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