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指揮者って何だろう。
昨日はサントリーホールで小林研一郎指揮、亀井聖矢ピアノのコンサートに行ってきた。
亀井くん推しの私はただただ亀井くんのピアノ🎹が聴きたくてこのコンサートに行くことにしたという経緯はあるけど、コバケンこと小林研一郎氏は約30年前に聴きに行ったことがあり久しぶりに聴いてみたくもあった。
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小柄なおじさん(失礼!)が振るタクトと体の動き?が独特で、でも情熱的だった記憶がある。そんなコバケンが指揮するオケがどんな演奏するのか楽しみでもあった。
今回のオケはハンガリー・ブダペスト交響楽団。コバケンは50年前に第一回ブダペスト国際指揮者コンクールで優勝しているがその時共演したのがこの交響楽団だそうだ。
50年前とは楽団員の顔ぶれは違っているが、その中に受け継がれたものがあり、指揮者として強固に結ばれたキズナがあるからこその演奏になるでしょう、と演奏前話があった。
(コバケンはそれ以来ハンガリーで活動している。コンサート開始前にハンガリー駐日大使とコバケンからそれぞれ話があった)
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その指揮者コンクール、当日指揮する曲を100曲ぐらいある中からくじを引いて決めるんだそうだ。コバケンが最初に引いたのがベートーヴェン交響曲一番の第二楽章。
『第二楽章って、ねぇ。普通第一楽章を演奏しての第二楽章になるんだよね。(第二楽章からの指揮なんて出来ない。)もうコンクール落ちたと思ったね(会場から笑)』
『もう一度引いたくじはロッシーニのセビリアの理髪師。でこれにした』と。
小林研一郎氏にとって思い出深いこの『セビリアの理髪師』で今回の演奏会はスタート。
演奏する交響楽団の皆さん、笑顔の方がすごく多かった。サントリーホールは2000名くらい入るのだけど何だかアットホームな雰囲気があった。
そしてタクトを振るコバケンが時々顔を体ごと観客席に向ける。
指揮者の顔を演奏中に見たのは初めてだ‼️
笑顔が優しく、そして幸せそう。
彼が何を表現したいのか観客席にいる私にも伝わってくる、そんな指揮だった。
セビリアの理髪師で感動して涙が出た。
楽団の演奏と指揮者の呼吸がピッタリとは今日のような演奏をいうんだろう。
リストのピアノ協奏曲、亀井くんは身体全体を使って表現するピアノだけど、文句無しに素晴らしかった。最近亀井くんがランランに寄ってきてる気がするのは私だけだろうか🤣
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ピアノの亀井くんに集中してしまい、マエストロと楽団の方たちに注意が向かなかったのはご愛嬌。でも素晴らしいオケだからこそのピアノの素晴らしさが際立つ。
最近トリフォニーホールでのピアノ協奏曲は角野隼斗さんも小曽根真さんもオケに音が飲み込まれ、ピアニストがパントマイム状態になってしまった時間があった。とても残念だった。
今回は亀井くんのピアノがオケに飲まれることなく美しく聴こえてきていた。もちろんオケの音が小さいわけではない。
ホールがいいのか。マエストロがいいのか。弾き手がいいのか。
私は何を勘違いしたのか今回はチャイコフスキー交響曲は5番を演奏するものだと思って勝手にすごく楽しみにしていた。
ら、始まったら5番じゃない。
あれーー!
4番も素敵な交響曲なのでもちろん楽しめたけど、ちょっと違和感が。
口はハンバーグを食べる気満々だったのに、実際食卓に並んだのがステーキだった、みたいな。
ちゃんとプログラム確認しとかなきゃね💦
今回はやはり小林研一郎氏が素晴らしかった。演奏会で一番感情を表現しているのは指揮者なんだと思った。
指揮者はいて当たり前だと思っていたけど、何のためにそこにいるのか解っていたつもりだったけど、今回のコンサートで間違いなく指揮者が音楽を作っているど真ん中にいるんだなぁと思った。
84歳の小林研一郎氏。いつまでも元気でタクトを振ってほしい。
また彼の指揮するコンサート、聴きに行こう。
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