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吃音を他人に告白した方がいいのか? 迷っている人に詳しく説明します。

吃音を他人に告白した方がいいのか?

吃音で地獄の苦しみを経験している人は、この苦しい吃音を誰かに知ってほしいと思います。

それに反して、吃音を説明しても逆にバカにされるのではないか、ダメな人間だと見捨てられるのではないかという恐怖を感じます。

以前、そのような恐怖から森田療法に救われて吃音を克服した筆者が、吃音を告白するとどうなるかを説明したいと思います。

早速結論ですが、ほとんどの人は、他人の吃音を聞いて「そんなことで悩んでいたの。いろいろあるんですね。」と話を真摯に聞いてくれます。

悩みに悩んでやっと他人に話した自分の吃音は、他人にとってはその程度です。

完全には理解してくれてないのかもしれませんが、吃音を告白したところでバカにされることはありません。

「そんなに気にしなくてもいいんじゃないですか」とも言われました。

私の吃音は、会社では一部の人に気付かれていましたが、席の近くで私の電話応対を聞いたことない人には、気付きにくかったと思います。

吃音で苦しんでいると周りの人は皆、幸せに見えてしまいますが、本来は皆少なからず悩みを抱えて生きているのではないかと思います。

他人の吃音なんてほとんど気にならないというのが本心だと思います。

吃音者と赤面症の人の違いは?

ところで、世の中には赤面症で死ぬほど苦しんでいる人がいますが、吃音者の方からすると赤面症の人に何とアドバイスするでしょうか?

赤面症は、人前で話しをする時や普通の会話でも自分の顔が赤くなり、また赤くならなくても赤くなるのではないかと心配になり、そのことを気にして生活が後退する症状のことです。

一般的に「そんなの気にしたくていいですよ」「そんなに赤くなってないですよ」とアドバイスになると思います。

他人がとらわれている症状には、このように冷静にアドバイスすることが出来ますが、自分の吃音には冷静になれないんですよね。

ここまで読んで「吃音と赤面症は違うので理解できません」と思った人は、かなり重症だと思います。

理屈は同じです。

何度手を洗っても自分の手が綺麗なった感じがせずに、手が荒れても洗い続けるという恐怖症の人もいます。

吃音も同じです。

初めて吃音を妻に告白した時

森田療法を本を読んで、吃音を告白したらだいたいどうなるか想像出来ていました。

自分が吃音だということを告白したところで、他人はそれほど引くことはないだろうと想像は出来ました。

そこでまずは妻に自分の吃音を告白しようと決意しました。

ところが決意して妻に言おうと思ってもなかなか言い出せません。

仕事から帰ってきて晩酌しながら言おうとして、言えずにもう少し飲んで、それでも言えません。

それが、毎日毎週続いて、言おうと決意して口に出して伝えるまでに一か月ほど経ちました。しかも酒の力も借りています。

ひと通り伝えても妻は引くことはなく、私を受け入れてくれました。

自分の吃音を上司に言った時

当時、信頼できる上司の下で働いていました。

半年に一度の人事考課の際、最後に上司から「仕事でも仕事以外でも何か言っておきたいことある?」と質問があったので思い切って自分の吃音を伝えました。

「へ~、そんなことで悩んでたんだ。そうか~、でも、そんなに気にしなくてもいいじゃないの」

私は、自分の吃音は、自分の意志に関係なく「気になること」が一番問題で、頭の中が吃音でいっぱいになることが問題です、と言いました。

それでも上司からは「気にしなくていい」とひと言。

全くそのような経験のない人には、理解してもらうのは難しいなと感じました。

上司からも引かれることはありませんでした。

吃音は、運動会のリレーでこけるようなもの

吃音で地獄のように苦しんでいるような人にはこくな説明だと思いますが、私は、「吃音は、運動会のリレーでこけるようなもの」ではないかと思います。

本人は、絶対こけたくないのに必死に走っていてこけてしまう。それを見ている人は、「あの人、こけちゃったよ~。」と笑う。

本人は、かっこ悪いし、皆が見ているし、「最悪」と感じると思いますが、周りの人は、それほど大したことと思っていないのが運動会のリレーでこけることだと思います。

吃音もこれに似ています。

周りは、それほど大したことと思っていないのに本人は上手く話せなかったと極端に落ち込む。

本来は自分の言いたいことを伝えることが目的ですが、「吃らずに言うこと」が目的になっています。

伝わったらOKという気持ちになれれば、吃音はかなり改善すると思います。

吃音を告白しようと思ったら告白してみたらいいと思います。

この記事で私が伝えたかったことは、「吃音を告白したところで大したことではない。」ということです。

今、吃音で悩んでいて周りになんて言えるはずがないと思っていたら、伝える必要はありません。

伝えてもいいが、伝えなくても全く問題ありません。

ただ、どうしても吃音が苦しくて他人に告白したら少しは楽になるんじゃないかと思っていたら伝えた方がいいと思います。

その時に周りの人で否定する人はいません、という記事です。

残念ながらこの記事を読んだだけでは吃音は治らないと思います。

もっと体系的に森田療法を勉強する必要があるからです。

でも以前、私は吃音で苦しい思いをしたので、今吃音で悩んでいる人の治るきっかけになればいいなと思い、この記事を書きました。






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