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台湾の香りを思い出す

 台湾が好きだ。毎年、二回は台湾に行かないと気が済まない。最後に行ったのは、2019年の10月なのでもう一年以上行っていない。気が狂いそうだ。

 お茶のスタンドがどこにでもあって、私の好きなミルクティーやフルーツの入ったお茶が飲み放題だ。

 適当に入った店のスープも美味しいし、小籠包はいくらでも食べれる。水餃子も美味しすぎる。もちろんチャーハンも美味しい。夏のマンゴーたっぷりのふわふわのかき氷も美味しい。

 中でも一番好きなのは、迪化街だ。問屋街で、お茶や乾物やそのほか色んなものが雑多に積み上がっていて、飽きない。建物はどれもレトロでかわいい。

 迪化街の真ん中くらいにある永楽市場。その一角にある林合発油飯店。台湾のおこわの専門店だ。油と言っても、これは醤油の油のことなので、油っこい訳ではない。醤油味のおこわという意味だ。いつも人が並んでいて、並んでいる間も、店員さんの手際の良さやおこわの湯気を見ていると期待感が膨らんで、わくわくする。おこわを詰める赤い箱が積み上がっているのも圧巻だ。待っている間、どこからともなく犬がやってきて近くに座り込んだ。誰も気にしないのもいい。

 注文して受け取った赤い箱は、ずっしりと重く温かい。たっぷりの干椎茸、豚肉、干しエビ、出汁の染みこんだおこわの味。何度も何度も噛みしめて食べたくなる。いつになったら食べられるんだろう。

 私はどうしても我慢が出来なくて、家で作ることにした。

試行錯誤を繰り返して、やっと納得いくものができたので紹介したい。

材料:豚小間肉100g 干椎茸4枚 干しエビ大さじ2 ネギ半分 ショウガ1かけ もち米2合 白米1合 ごま油大さじ2 

調味料:醤油大さじ6.5 酒大さじ1 砂糖小さじ1

下ごしらえ:干椎茸と干しエビを水で戻して、細切りにする。ネギ、ショウガをみじん切りにする。もち米と白米を洗って2時間水に浸しておき、その後ざるにあげておく。

作り方:豚肉、干椎茸、干しエビ、ネギ、ショウガをごま油で炒める。そこに、もち米と白米を加えて一緒に炒める。さらに調味料を入れて軽く炒める。全部を炊飯器に入れて、干しエビの戻し汁と干椎茸の戻し汁を入れて、おこわコースで炊いたら完成。

 完成した油飯を食べながら、台湾の路地で美味しい店を探しながら、歩いたことを思い出す。

 台湾に行くことができたら、私はまたあの味を求めて、並ぶんだろう。私はきっと泣いてしまう。




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