女性が働きやすい職場に要注意!!

 突然だが、女性が働きやすい職場と聞いて何を思い浮かべるだろうか?育児休暇が取りやすい?時短勤務ができる?男性も育児休暇を取っている?子育て中の先輩がたくさんいる?残業が少ない?

 私が働いている会社も、就職説明会で上に上げたような話があった。私は何となくそういう会社なら、有休がとりやすくて残業も少ないんだろうなと思って、就職した。当時から、ノンセクを自覚していたので、子どもを産むビジョンは全く持っていなかったけれど、もし気が変わったときにそういう制度があった方がいいだろうと思った。

 でも、実際に入社してみると、男性がたった一日だけ育児休暇を取っただけで、社内広報誌に大々的に取り上げられていて、驚いた。一日だけなんて普通に取れる有休休暇と同じだ。ファミリーフレンドリー企業なんていう認証マークを持っているし、先駆的な企業というイメージを世間の人は持っているだろう。男性の一日だけの育児休暇で大騒ぎする会社。お笑い種ではないだろうか。

 子育てに理解あるイメージの会社であるが、実際のところ、育児中の社員のフォローは誰がするのだろう。私のイメージでは、他部署の社員が異動してきて、仕事を引き継いでいくんだろうと思った。ところが、ふたを開けてみれば、補充で来るのは未経験の派遣社員。一年限定の人に複雑な仕事を引き継げるわけもなく、残った社員で育児休暇中の社員の仕事を分け、派遣社員には単純作業しかさせられなかった。

 社歴の長い先輩が抜けた後を残りの社員で必死で埋める日々。今まで定時で帰っていた私は、毎日3時間も残業をして穴埋めをした。一緒に残ったのは、独身の後輩と先輩だった。自嘲気味に「私たちには待っている人がいないから」と、笑いながら、毎日の残業に耐えた。独身の私たちは、便利な犠牲になっていた。

 育児休暇の制度は、法律で決まっているし、取るのは当然だろうと思う。残った部署の仕事をどう回すのか、部署の中でどう仕事を回すのか考えるのは無理がある。会社として人員の配置をきちんと考えてほしいけれど、そんなこと下っ端の社員が吠えても、内部でどうにかしてくれと一蹴されてしまう。

 結局のところ、子どもの都合で休めるのは、子どものいる社員だけで、自分だけの用事で休むと、嫌な顔をされたりした。入社して数年は、びくびくしながら休みを取っていた。子どものいる人は、定時で帰るのに、独身で子どものいない私が待ち合わせで定時に帰ろうとすると、理由を聞かれたりした。

 幸いにも今は、全員で早く帰ろうという空気があり、子どものことは、は関係なく早く帰ることができている。入社して数年のあの状況が続いていたら、会社を辞めて逃げ出していただろう。

 育児休暇が取れるだけではだめだ。復帰ができるだけではだめだ。その人がいない間をどうやってフォローするかまで、会社として考えるべきだ。そうしないと、独身はいつまでも搾取され続ける。独身VS既婚の構造を作るべきではない。と、願っている。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?