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October 11th

帰路の住宅地の路地でタバコを吹かす。
人気のない道での事で咎められることも無いだろう。
一頻りに巻上げながらぼんやりと街頭に目を向ける
秋の雨上がりの薄寒い風が抜けていく頬に
涙が流れる。
あと2ヶ月足らずで終わる日を振り返り
年々と磨り減り、起伏がなくなっていく自分が
惨めでならなかった。
その言葉が正しいかどうかは、誰が判断するのだろう。
間違いなく自らを形容するものではない。

タバコを投げ捨てた。
しばらく見つめて、その行為の正当性が見当たらなかったので
つまんでジーンズのポケットに入れたのが昨日の夜だ。
洗濯を詰めて廻したあとに気付く。

記憶に新しい事もこうして薄ぼんやり片隅に追い遣られ
僕は年をとっていく。

なにかの報いを受けなければならないのか。
またはこれが結果なのか。

理解に至らず意識の向け方が不透明で
どの方角が相応しいのか。

いまでもわからない。

How many years can some people exist
Before they're allowed to be free?※1

※1 Bob Dylan  風に吹かれて から引用

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