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【開催報告】かみいけ・ゆる読書会vol.6-読書と月見

本日、上池袋のシェアスペース「くすのき荘」にて、「かみいけ・ゆる読書会vol.6-読書と月見」を開催しました。

今回は、満月が見られる日の開催ということで、月や宇宙、天体観測などをテーマにした読書会をやった後に、天体望遠鏡を使って満月を見る会をするという2部構成で実施しました。

第1部の読書会では、参加者でテーマに沿う本を持ってきた方々から本をご紹介いただくとともに、他の参加者から紹介された本をもとに生じた感想や疑問だったりを話し合っていきました。

月、天体観測、宇宙等にまつわる本を持ち寄りました(手ぶらでの参加もOKです)

以下に、参加者の方が持って来た本と感想をいくつかご紹介いたします。

中原中也詩集の中に収められている「月夜の浜辺」という作品があります。

夜の波打ち際で歩いていたところボタンを一つ拾う様を詠んだ詩で、月夜と海の情景が目に浮かぶようです。

実際に参加者の方に朗読もしてもらいましたが、月夜に何度も聞きたくなるような言葉の響きが素敵な詩でした。

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちていた。

それを拾つて、役立てようと
僕は思つたわけでもないが
月に向かつてそれは抛ほうれず
波に向かつてそれは抛れず
僕はそれを、袂に入れた。

出典 中原中也詩集(新潮文庫)

11世紀のペルシャの詩人・オマル・ハイヤームの詩集「ルバイヤート」を持って来られた方がいらっしゃいました。4行詩が多く収められている詩集で、アメリカの有名な作家・フィッツジェラルドによる英訳本によって広く知られて読まれるようになったとのことです。

ルバイヤートのお酒にまつわる詩で月に言及されている箇所があるのでご紹介します。

命がつきるとき、そこがバグダードでもバルフでも変わりはない。

酒杯が満ちるなら、酒は甘くとも苦くともよい。

酒をのめ。われらが立ち去ってからも、

月は無限に満ちては欠け、また満ちるのだから

出典 ルバイヤート(岩波書店)

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を持ってきてご紹介して下さった方がいらっしゃいました。

昔読んだことがある作品とのことですが、改めて歳を重ねて読み直すと違った見方が出来るというお話などをお伺いしました。

特に印象的な点として、「銀河鉄道の夜」の中で、主人公のジョバンニと友人のカムパネルラが、「本当の幸せとは何か」を話し合うシーンがあるとのことです。2人は答えが出せないのですが、誰しも生きているうちに何が幸せかを見失うこともあり得るし、年齢を経ると幸せとは何かが変わることとあるので、物語の中でも明確に幸せとは何かが描かれていないのではないかとのことでした。

同じ作品でも、色々なことを経験するうちに作品への印象が変わっていくということで、とても面白い読み方だと思いました。

また、月の地形・クレーターの本や、星空ツーリズム、宇宙飛行士選抜試験など宇宙や月の解像度を高めるための本をお待ちになった方もいて内容をまとめて分かりやすく解説いただきました。

本を持ち寄った参加者が紹介し終わった後に、別の参加者からも様々な感想やコメントが発せられて、他の作家(村上春樹、石川啄木など)や作品、話題に話がどんどん派生していくのが楽しかったです。

「月」は、昔から空にあってそれをずっと人が見てきたから、月に思いを馳せた人たちが、月をモチーフにさまざまな作品を描いてきているのだと実感させられした。

第1部の読書会後には、会場の隣の公園に移動して、第2部の月見会を実施しました。

天体望遠鏡で、実際に満月の月を観測してみようというものです。

くすのき荘の隣にある上池袋くすのき公園にて、天体望遠鏡を用意して待つこと30分。

屋根の間から、キレイな満月が池袋の上空に顔を覗かせてくれました。

その後10分くらいして、月が雲に隠れてしまったので、観測出来たのはわずかな時間ではありましたが、都会の真ん中で見事な満月を参加者の皆様と共有出来てとても楽しかったです。

月見会は、また満月のタイミングで開催していこうと思います。

そして、さらに読書も楽しめるようにいろいろと企画していしていきたいと思います。

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