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憧れの楽器⑥ ~脱・ジャイアンリサイタル~

前回までのあらすじ↓

さて、6月最後のレッスンでした。

いつものように夜ごはんをこしらえて(今回は中華丼でした)夜のレッスンへ。

ちなみにこの日は夕方に歯医者の予約をしており、その前に美容院にも行っちゃおうか…!?と思いついて予約の電話をする直前までいったけど、やめた。
ふたつ以上の予定を入れるのはやめなよ。
この前なんて「RRR」を観ただけで体力を消耗してレッスンを休んでしまったではないの!と自分の頬をぶつ。

そのまえに、
前回のレッスン(⑤をご参照あれ)でひどいかすれ音を出してジャイアンリサイタルを開催してしまい、次のレッスンまでに思い切り音を出せる場所で練習をしなければ!と決意していたため、週末に行ってきました「カラオケまねきねこ」。

とても苦手な空間で20年ほど出入りしていなかったカラオケボックス。
なぜ苦手なのかは説明すると長くなるのでざっくり言うと「不穏な感じがするから」……。
(わかるかた、いますかね)
でもヴァイオリンの音を思い切り出してもいい空間、すなわちレッスン室ととらえたら全然ありでした。

ちなみにカラオケボックスでヴァイオリンの練習ができるというのは、いくえみ綾『G線上のあなたと私』で知った。
あれを読んでた頃は、自分もヴァイオリンを持ってカラオケボックスに行くとは思ってもなかったなぁ~。

狭いボックス内ではあったけど、譜面台を立てて思い切り音を出せる。
教本を順番に進めていき、ひたすら基礎練を繰り返した。隣の部屋からなんだかよく分からない歌を熱唱する声が漏れ聞こえてくるが、全然平気だ。
弦を押さえる指が痛くなるくらい練習して、なんとなく?いい音を出す感覚を?つかめた?ような?気がした。
(ような気がする??)

教本の後半のページをめくって見ていたら「主よ御許に近づかん」という讚美歌が載っているのを見つけて、ボックス内ではっとする。
この曲はタイタニック号に乗っていた弦楽奏者たちが沈みゆく船の上で弾いていた曲。
わたしも昔から好きな讚美歌だ。

基礎をやっているうちは安易に曲には手を出さないでおこうと思っているけど、出来心でちょっとだけ譜を追って、弾いてみた。

まだ練習していないD線やG線も使う曲だったけど、「曲を奏でている」という感覚があってじわじわと胸が熱くなる。
でもきれいに弾けるのはまだまだ。 まだまだのまだまだだということも同時に分かった。
いつかこの曲をきれいに奏でてみたい…!とムクムクと思う。

さて、そうして臨んだ今回のレッスン。
キャプテンにご挨拶して楽器を構えて第一音を出した瞬間、前回とは音質が違うことが自分でもわかった。
音がジャイアン声にならず、弓を長めに滑らしても音がかすれていない!

ばかみたいな表現だけど、弾いていて「弾いている!」という、弓から手に伝わる手応えがあった。あのまねきねこの自主練だけでこんなに変わるの?

ジャイアンリサイタルを脱したことに、ワオ!と叫びたかったが、キャプテンの前なので冷静をよそおう。

先弓・中弓・元弓を、使い分けて弾く練習や、全弓を使って大きく弾く練習、そして高い位置から弦を押さえて短くハッキリした音を出す練習などをした。キャプテンいわく弦を押さえる指の裏の筋肉をつけると弾くのが楽になるとのこと。指裏の筋肉とは…!?意識したことなかったな。

レッスンのおわり、キャプテンが
「きれいな音が出ていますね」
とにっこり笑顔で爽やかにおっしゃる。
「休符で弓をふわっと離したあとの残響音も綺麗ですよね」
とも。

ジャイアンリサイタルを脱せてとりあえずうれしい。
けど調子に乗らずに、「練習は裏切らない」と心のふんどしにしっかりと太字で記しておくことにする。