「あなたは嘘つきだね」
気づけば3月もはんぶんが過ぎた。
おや。はやいぞ。
この分だと一気に5月くらいまで時の流れに乗ってもってかれてしまう。
早春。
晩春。
どの春も好きだ。
好きなんだから、もっと晴れやかな気持ちでいたいのに、反して、心はどんよりだ。
このどんよりをどうしてくれよう。
頭の中から暗ーいかたまりをパコっと取り外して、ぽーいと捨て(燃やすのもいいな)、頭のすみずみまで爽やかな風で満たしたい。
最近、特に朝は元気がないのがデフォルト、やる気が起きないのがデフォルト、動きたくないのがデフ……なので、なんだか春が嬉しいと思える余裕もない。
ちぇっ。
もうすぐさくらも咲くというのにね。
・・・
俵万智『アボカドの種』を読む。
こたつでごろりとしながら、ほぼ一気読みした。
本のなかで、好きだった歌。
関係を分類できず見上げれば名前を持たぬ星がまたたく
手間ひまをかけて生きれば甘くなることもあるよと笑う干し柿
ハッピーバースデーあの日あなたを生んだこと、今夜ケーキを分けあえること
君だけに見える昼間の星となり一生かけてそばにおりたい
俵万智の短歌、やっぱりいいな。
流れるように読むことができる。そして、うまいなあと感じる。言葉。言葉。言葉。ことばのもつ、やわらかさやしなやかさや、とんちや、奥深さ。
ちなみに、わたしが俵万智の短歌で最も好きな歌は、
散るという飛翔のかたち
花びらはふと微笑んで枝を離れる
という歌。
やっぱり、この歌も春。
・・・
前回のわたしの日記に木蓮のつぼみの写真を載せたところ、
「木蓮といえば「木蘭の涙」ですね」
というコメントをいただいた。
ハッ！としました。
スターダストレビューの「木蘭の涙」。
わたしも大好きな歌なのです。
やがて時はゆき過ぎ
幾度目かの春の日
あなたは眠る様に
空へと旅立った
いつまでも いつまでも
側にいると言ってた
あなたは嘘つきだね
わたしを置き去りに
優しい歌だと思う。いいよなぁ。
メロディラインが優しくて、根本さんの声も切なくて、聴くとなんかいつも涙が出てしまう。
若かった頃よりも、もう会えなくなってしまった人がいて、思い出す人がいるいまの方が胸に沁みる。
会えなくなってしまう人はだんだんと増えてゆく。そうして自分もいつか、木蘭を見て思い出される「もう会えない人」の方になるんだろうな、とも思う。
だって、生きるってことにおいてはみんなが同じなんだから。みんな、生きて死ぬんだから。
・・・
さて、「全然関係ないけど」のコーナーです。
最近、二度見したもの。
どんな時に……。
どんな気分の時に、この「カニ鍋スープ雑炊仕」を飲もう、とコインを入れる、そのような気持ちになるのだろう。
わたしには想像がつかんのだよ。
カニ雑炊を自販機で買おうと思う、そんな時が。
・・・
最近、二度見したもの、その2。
街角で見かけて、通り過ぎ、ふと戻って二度見した。
コロッケコンサート「笑う顔には福来たる」……！
思わず立ち止まって、
「こういうの見たら、元気になんのかな」
とマスクの中で呟くどんよりした女。わたしです。
コロッケの岩崎宏美とか見たら、元気出るのかもしれない。だって面白いもんな、コロッケの岩崎宏美。元気に5月を迎える、そのためだけにでも、行く価値があるのかもしれない。
・・・
オープン戦に行きました。
久しぶりに野外でわあわあ言いながら野球を見て、それはとても楽しかった。山田哲人のホームランも、村上くんのホームランも見られたしね。
帰ってから疲れて3時間も寝てしまったけど(夕寝？なんなんだ)、それでもたのしかった。