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理系大学生にオススメの本 4選

この記事では、理系大学生にオススメの本4選をご紹介します。

  1. 理系なら読んでおきたい学術エッセイ

  2. 論文・レポート作成のための学術書

  3. 知っておきたいノンフィクション小説

  4. ゆったり読める短編小説

の順にご紹介します。

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1.思考の整理学/外山滋比古(ちくま文庫)

1983年に刊行された学術エッセイ。1986年に文庫化され、その年から2007年まで21年間で16万部のロングセラーとなりました。2007年に、盛岡市さわや書店、松本大介さんの「もっと若い時に読んでいれば……」というポップをきっかけにさらに注目を集め、2008年には東大・京大生協の書籍販売ランキングで1位を獲得。”東大・京大で1番読まれた本”という帯を見たことがある人も多いのではないでしょうか…?この帯によって売上がさらに加速し、2009年には累計発行部数100万部を突破。2016年には、文庫化から30年目にして200万部突破という偉業を成し遂げ、今もなお、バイブルとして読み継がれています。
HP「筑摩書房」本書紹介ページより、一部引用

私がこの本を初めて読んだのは高校生のときで、そのときは、「なるほど、賢い人はこうやって物事を考えたり、文章を書いたりするのだな」という感じで読み終わり、特に何か影響を受けたということはありませんでした。
大学に入って、レポートや論文の作成に取り組む中で、この本に書かれていた「文章を寝かせる」という発想を思い出し、もう一度読んだときに初めて、この本に書かれたことを理解できた気がしました。

大学に入って、これまでの勉強と決定的に変わることのひとつに「文章を書くこと」が挙げられると思います。
理系大学生は、「短く、的確に書く」ことを求められますが、短く的確な文章を書く前に、膨大な数のデータを取ったり、ぐちゃぐちゃとあれこれ考えなければなりません。
そのデータや頭に浮かんだあれこれを、どうやって短く的確なものに変えていくのか、その整理方法が書かれているのが、この本です。
研究や論文に行き詰まったとき、いや、行き詰まる前に、ぜひ一度読んでみてほしい本です。

2.理科系の作文技術/木下是雄(中央公論新社)

物理学者で知られる著者が、理科系の研究者・技術者・学生のために、論文・レポート・説明書・仕事の手紙の書き方、学会講演のコツを書いた学術書。文のうまさに主眼を置いた従来の文章読本(とくほん)とは一線を劃し(かくし)、ひたすら「明快・簡潔な表現」を追求した本。タイトルに「理科系」とあるものの、文系のレポートや論文を扱う人たちにも新鮮な刺激を与え絶賛された。
HP「中央公論新社」本書紹介ページより

大学1年生のときの講義の中で、多くの教授がレポート作成にあたって紹介していたのがこの本でした。
理系大学生で、この本を知らない人はいないと言えるくらい有名な本なだけあって、学生生協に売っていたので、初めてのレポート作成にあたって購入しました。図書館に置いている大学もたくさんあると思います。
この本は、じっくり一読するというよりも、「全体にさっと目を通して、文章を書く際には常に手元に置いておく」というような使い方をするのが良い本だと思います。
研究室にも共用本として置いてあったので、気になったときに該当するページを読むこともありました。
理系大学生のレポート・論文作成には欠かせない一冊です。
もしも、これを読まずに文章を書いている理系大学生がいたら、ぜひ一読してみてください。
文章の書き方だけでなく、構成そのものが変わると思います。

3.論文捏造/村松秀(中央公論新社)

科学の殿堂・ベル研究所の、若きカリスマ、レンドリック・シェーンは、超電導の分野でノーベル賞に最も近いといわれた。しかし2002年、論文捏造が発覚。『サイエンス』『ネイチャー』等の科学誌をはじめ、なぜ彼の不正に気がつかなかったのか?欧米での現地取材、当事者のスクープ証言等によって、現代の科学界の構造に迫る。なお、本書は、国内外のTV番組コンクールで複数の賞を受賞したNHK番組をもとに書き下ろされたものである。
Amazon、本書紹介ページより

研究室に配属されてすぐに、理系大学生なら読んでおきたい一冊として先生から勧められた本です。
大学図書館で借りて読むことにしたのですが、借りる際に、それまで全く話したことのなかった司書の方に「この本、私も学生の頃に読みました!面白いですよ」と言われた思い出があります。
「あ、やっぱり有名な本なんだ」というのを確信しました。

大学生の集大成として残る卒業論文を、果たして自分はどう書くかということを考えずには読めないと思います。
データの数々に信憑性がないことや、書いた内容に根拠のないことの恐ろしさを、この本を通して体験することで、果たして自分は研究にどう向き合うか、膨大な数の参考論文をどう読み解くかということを考えさせられます。
世界的に知られた有名科学者の論文捏造。理系大学生なら知っておくべきニュースであること間違いなしです。

4.月まで三キロ/伊予原新(新潮文庫)

この作品は、第9回静岡書店映像化したい文庫部門大賞、第3回未来屋小説大賞、第8回静岡書店小説部門大賞、第38回新田次郎文学賞を受賞しています。
「この先にね、月に一番近い場所があるんですよ。」死に場所を探す男とタクシー運転手の、一夜のドラマを描く表題作「月まで三キロ」。月や雪や、素粒子までもがいつも誰かを励ましているーーー。
傑作六編が収録されています。
本書裏表紙より

この本は、私が「大学生のときに読みたかった!」と思った作品です。
第164回直木賞と、2021年本屋大賞にノミネートされた「八月の銀の雪」という作品で、伊与原新さんの名前を知っている方も多いかもしれません。
「八月の銀の雪」は話題になったこともあり、多くの方が知っているかも…と思ったので、今日はあえて「月まで三キロ」をご紹介します。

伊予原さんは東京大学の大学院を修了した理系の作家さんです。
ここまで科学と文学が寄り添った小説はないのではと思えるほどに、読者の文系、理系を問わず、心に響く小説です。
短編集ということもあり、読書時間を確保できない忙しい大学生にも、「今まで実はあんまり本って読んでこなかったんだよな」と、読書に苦手意識のある大学生にも、「何となく理系に進んだけど、特に得意なこととかやりたいことがあるわけじゃないんだよな」なんて大学生にも、オススメの作品です。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
「有名な理系本4冊」とは書いたものの、文理問わず、大学生に読んでみてほしい本を紹介してみました。
興味のあるもの、または自分に必要そうだなと思うものがありましたら、ぜひ読んでみてください。

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