見出し画像

バレエが好き

バレエが好きだ。
気が付いたら好きだった。
いつ、どこで、どういう風に知って好きになったのか、謎だ。
2年前に母が亡くなり、いなくなってみると「元気なうちに聞いとけばよかったと思う事」が湧いてくるのだが、この「なぜ私はバレエが好きなの?」というのもその一つだ。

初めて生でバレエを観たのは・・・と記憶をたどり、ネットで検索してみた。
今はちょっと調べれば大概の事は判明するようになって、便利と言うか怖いというか。
で、多分これだ、というのが出てきた。

私が見たのは谷桃子のオデットで、母が「貝谷八百子は痩せぎすだから谷桃子の方がいい」というようなことを言っていたのを覚えている。
オデットが村娘だった時から始まるバージョンだった。

そもそもからして「バレエ、すてき💞」な子どもが白鳥の湖全幕なんて見て、バレエ熱が最高潮に高まらないでか!
ということで、私はその日以来何年にもわたって「習いたい!習わせて!」と熱烈に希望続けることになる。
が、母親の「バレエを習っても家で踊って楽しんだりできないでしょ?ピアノにしなさいな」という言葉で、何故か私はピアノを習うことになったのだった。

ピアノはその後15年ぐらい習っていたけど、途中でふと「なんで私はピアノをやってるんだろう?」と気が付いてしまって、それまでは「音大、目指したら?」とか言われてその気になっていたのだったが、突然醒めてしまったのだった。
そんなだから、何日か前のnoteに書いたみたいに、ピアノを弾くってことが全然わからないままに終わってしまい、この歳になって後悔することになったのだったが。

閑話休題。

母とは大人になっても二人でバレエを観に行ったりしていたから、母自身が好きだったんだとは思うが、それにしても私はいつ「バレエ」というものを知ったのだろう。
今の様にビデオがある時代でもないし、家にそういう本や写真があったという記憶もない。
お友達の家に遊びに行ったらバレエの写真のカレンダーが飾ってあって、子ども心に「黙って持って帰っちゃおうか」と恐ろしいことを考えるくらいに好きだったのだ。
初めて観た時の「ファーストインパクト」を覚えていないというのが、自分としては残念でならない。

「私はいつからバレエが好きになったの?」
こんな単純な問いを、なぜ母の生前に思いつかなかったんだろうかと思うが、聞くまでもないくらい、物心ついた時にはすでに私の中にはバレエが入り込んでいた、ということだけは確かだ。
音楽が好きなことも、お芝居が好きなことも、ミュージカルや歌劇が好きなことも、全部ルーツはバレエにあると思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?