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虎つばロス

朝ドラ「虎に翼」が終わってしまった。
今朝8時からのオンエアを観終わってすぐ、NHK+でリピート視聴してしまった。
そしてその後しばらく放心していた。

力強いドラマだったな、と思う。
主人公は伊藤沙莉の寅子だったけど、最終回の「竹むら」にいた全員が主人公だった。
全員が全員、自分の人生を力いっぱい生きていた。

最後の3分ぐらいの全編回想は効いた。
ドラマとしては半年なのに、一人一人の人生の何十年という月日が感じられて、その時その時に出会った人たちがみんな、それぞれに一生懸命人生を生きていたなと思って、なんだかもう胸がいっぱいになってしまって・・・。

そして、最終回まで見てようやく、娘・優未の意味がわかった、ような気がした。
子供時代から、よくできた娘すぎない?と思う事もあって、このドラマがそのように描くことにはなにか意味があるんだろうと思いながら見ていた。
おそらく優未は、人が本来あるべき姿の原型、のようなものを示したんだろうな、と思う。
誰からも縛られず、誰の事も縛らず、自分のできることやりたいことを自分で決めて歩む人生。
それはほぼ不可能と言える今にあの優未の姿を提示することは、理想を提示したってことなのかなと。
そしてそのように生きる優未の佇まいが、すごく生き生きしているとかすごく幸せそうとかではなく、あくまでも淡々としていることも、とても印象的だった。

法とは船である、という寅子の言葉。
家庭裁判所は愛の裁判所だ、というライアンたちの言葉。
法は母だ、という優未の言葉。
法とは本来、人を裁いて罰するためのものではなく、人を守り援けるものであるべきだということなんだろう。

考えてみれば「法とは何か」ということについて、私たちはあまりに知らないな、と。
学校の校則のように、この国で暮らす上で守らないといけない規則、ぐらいにしか思ってない人が多いのではないかな、と(えっ、そんなことないですか?汗)
もっと身近であるべきものなのだな、ということも心に刻まれたドラマだった。

最後に寅子が桂場さんの顔から桜の花びらを取ったことにも意味があったらしい。
そうだよね、ただ笑かすためだけにあんなことしないよね、このドラマ。
役者さんたちだけでなく、脚本から音楽から演出からすべてにおいて一部の隙もないドラマだった。

はぁ・・・今はお腹いっぱいだけど、すぐ空いてくるよね・・・寂しいなぁ。


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