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あの頃の、特別な自分に、もう一度出会える。

あなたの小さい頃の夢はなんですか?

 \ サッカー選手?ケーキ屋さん?先生?歌手?/

そもそも、大人はどうして子どもたちに「大きくなったら何になりたい?」って聞くのだろう。

夢と希望に満ち溢れていたあの頃。自分が特別な存在だと信じて疑わなかった。なれるわけがない、なんて微塵も思ったことがなかった。

大人になって、「何になりたい?」という問いがこんなにも怖くなるとは思わなかった。大学生になり、さまよい続ける自分探しの旅。就活中、必死すぎる自己分析。大きくなるにつれて、いつしか凡人であると思ってしまったようだ。

僕たちはみんな元々特別だからです。だから、ただ自分らしくありのままでいてください。( Part1-3話 )

初日で1000万回再生し、たった3ヶ月で1.2億再生を突破。9人組日本人ガールズグループ・NiziUを生んだオーディション番組「Nizi Project」にて、総合プロデューサーJ.Y.Parkの言葉だ。

なぜ、Nizi Project というコンテンツが成功したのか。というのは散々語られているので、他の方を参考にしてほしい。

今回は、あまり語られていない、Part1と2の計20時間苦楽を共にし、見終わった後に残る「爽やかな活力」について、綴ってみる。

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■Feel Special

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なれるわけがないと、くすぶっている人が思わずハッとさせられるほど、彼女たちは必死だ。彼女たちは自分が特別だと確信している。夢を引き寄せる人は最後まで強く信じきれた人なのだと痛感させられる。

オーディション中、何度もJ.Y.Parkから語られる「特別」という言葉。特別とは、なにも選ばれた人だけのものではない。

スター性というのは実は特別な何かに恵まれていることではなく、自分のどんなところが特別なのかを知ること。すべての人は特別なので ( Part1-7話 )

日本ヒップホップ界を代表するラッパーZeebraを父親に持つリマ。Part1にてリマがラップを披露した際に、「既存の海外ラッパーの真似をしないで。普段の表情や口調で歌ってほしい」とアドバイスをする。これ以降、リマの表現方法はガラリと変わり、別人のようになる。自分の殻をどんどん破っていき、新しい自分に出会う。オーディションに残った子たちは、必ずしも秀でたものがあったわけではなく、自分らしさを求め、変化できた子が多かった。特別とは、「個性」と言い換えられるのかもしれない。

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■Heartbeat

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オーディション番組「ASAYAN」から生まれたモーニング娘。を筆頭に、AKB48、ももいろクローバー。他の日本のアイドルがスターになるまでと何が違うのか。「ふつうの少女がスターになっていく過程を応援する」という形とは少し違う。東京合宿のPart1までは才能や伸び代が選考基準だったが、韓国合宿のPart2では過酷なトレーニングを通じていかに成長できたか、とにかく成果を求められるようになる。

才能が夢をかなえてくれるのではありません。過程が結果を作って、態度が成果を生むからです。( Part2-3話 )

毎回全員の順位が発表され、成長の度合いが如実に評価される。激しい競争の中で、プロになる覚悟を問われ続ける。いつまでもアマチュアさが抜けない子たちは脱落していく。キレッキレな仕上がりで、今までのアイドル像が崩れそうなほどの圧倒的なクォリティの高さ。私たちはあまりのプロフェッショナルぶりに胸躍らせる。数ヶ月前まで普通の学生で、自分と変わらなかったはずなのに。もしやこんな自分でも変われるのかもしれないと、いつしかNizi Projectに没入し熱狂する。

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■I’ll be back

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10-20代だけでなく、30-50代の方をも魅了した理由は、Hulu×日本テレビ(スッキリ)のメディア戦略が寄与しているのは間違いないが、いつしか忘れしまっていた、頑張っていた頃の自分を思い出すからだろう。

世の中で一番美しいのが、新人の目つき。切実さと夢がいっぱい入っている、そんな目に会いたいです。( Part1-1話 )

ひたむきに努力する彼女たちの姿にかつての自分を重ね合わせるのである。夢と希望でいっぱいだった子どもたちは、挫折経験を経て、徐々に現実というものを突きつけられる。そして、大なり小なり何かを諦めることになるのだろう。いつしか何かを諦めたことすら忘れてしまう。若い子たちが頑張っている姿を見て、なんだか甘酸っぱさを感じながら、まだまだこれからと、何歳になっても励まされる。若い子たちのエネルギーは前向きにさせる力がある。あの頃の自分に、いつでも戻ってくることができるのが、Nizi Projectの魅力である。

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■CHEER UP

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Nizi Projectは、生々しいほど未完成なリアルだからこそ、私たちは惹きつけられ、彼女たちの境遇に共感する。同じリアリティショーでも、情熱大陸とは違う。情熱大陸にとりあげられる人は完成されており、尊敬の念抱いても、応援とはなりにくい。経歴や才能などで凄すぎると感じ、参考にしにくいのであろう。元気付けられるかどうかは、いかに自分事化できるかが鍵になってきそうだ。

また、自分事化しやすさとして、未完成さとは別に、原体験によるものが考えられる。少女の間で「アイカツ」というアニメが流行っている。アイカツとは、アイドル活動の略である。このようなアニメが流行るほど、アイドルといった職業に子どもの頃、憧れた人も多いのではないだろうか。心のどこかでほんのりとその頃の記憶が残っているのである。まるで疑似体験のように、夢に向かって突き進む彼女らの姿は元気付けられ、夢中になる。

他にも、原体験から自分事化して熱中しやすい例として、高校野球がある。同じく少年時代、野球選手に憧れた人も多いだろう。

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■Make you happy.

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Part2の韓国合宿はちょうど6ヶ月間。みんな恐るべき成長を遂げる中、同じ期間、言葉の企画に参加している私は、彼女たちほど成長できているのだろうか。

もう一つ大事なポイント。学習能力。才能と学習能力は違います。センスが良くて、何を言われたのかを素早く理解して、それに集中して練習し成し遂げていく子たち。このような子たちを見て学習能力が高いと言います ( Part1-5話 )

頑張っているつもりになっていたと言い、去っていった子の言葉が心に刺さる。折り返しを過ぎたけれど、まだまだできることはあるはずだ。

大人はどうして子どもたちに「大きくなったら何になりたい?」って聞くのだろう。それは、子どもたちに、無限の可能性を感じるからではないだろうか。ただ、可能性は子どもに限ったことではない。私たちは何歳であっても、特別なことに変わりない。大切なのは自分のどんなところが特別なのかを探し続けることだ。

見終わった頃には、あなたも爽やかな活力を感じているだろう。そして、あの頃の、特別であると無邪気に信じていた自分に、もう一度出会える。そうすれば、あなたの夢は、あなたを幸せにするだろう。


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