思い出の中に溺れる前にこの場所でさよなら
思い出は美化されがちである。
でも思い出とは自分の中に残す記憶そのものになるので美化してしまうことはしょうがないことなのかもしれない。
悲しい辛い記憶よりも、楽しかった嬉しい気持ちの記憶が残っているほうが気持ちも楽だからである。
けれど私は美化された思い出をいつまでも残しておくことが辛い。
私の美化された記憶。
私には約1年半とても大切に思っている相手がいた。
その時は私の世界の中心はその人で
何もかもその人のことで頭がいっぱいで
すべてが手につかなくなるくらい本当に夢中だった。
けど一緒にいるなかで幸せなことよりも辛いことのほうが圧倒的に多かった。
相手とは遠距離で会えても月に1.2回程度
その人が私の知らない土地でどんな風に暮らして、知らない人と過ごしているか把握できない。それが辛くて
相手を信じきれない自分も嫌で考えるたびに苦しくて
けどこういう自分を相手にさらけ出すことで嫌われたらどうしようと悩んでしまったり、それがキッカケで喧嘩になったらどうしようと思いいつからか自分の気持ちすら見失っていました。
一緒にいるという感覚よりも一方的な気持ちで居座ってる感じがして居心地も次第に悪くなっていって
辛いことのほうが多かったことは間違いないのに
思い出すのは幸せだった記憶ばかりで
抱きしめられた時の暖かさ腕の強さ
私だけを見てくれていたあの目
本当に大切にしてくれていた時間は確かに間違いなくあったと思うし、この記憶だけは私のもので誰にもとられない
けど
次第に私への優先順位が下がっていたこと
ひどい言葉をかけられたこと
冷たい目をむけられたこと
この事実に目を背けて
美化された記憶のなかだけで生きていくほうが楽なのかもしれない
けどそれじゃ何も変わらないままただ時間が進むだけ、
だから思い出を美化しすぎる前に
私から終わらせよう
思い出の中に溺れる前にこの場所でさよなら。
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