ロード・オブ・ザ・リング・スペシャル・エクステンデッド・エディション

何を今更、と言えば今更だけれども、外に出られない連休は長編映画を見るに限る。

同じことを考えていた人はほかにもいるようで、思いのほかゲオでは、ロード・オブ・ザ・リングシリーズは貸出中。隣町まで足を伸ばして(とはいえ最寄り駅の反対側)TSUTAYAに行くと、怪我の功名「スペシャル・エクステンデッド・エディション」が3作揃って置いてある。

このロード・オブ・ザ・リングシリーズ、アカデミー賞を総なめにした映画で有名だけれども、長時間であることも有名。2時間の映画の制約のために、やむなくカットした一般のdvdと、それぞれ2枚組250分×3作というスペシャル・エクステンデッド・エディションでは未公開映像どころじゃなくて、もはやそのエピソードの挿入のせいで内容自体がちょっと違う。

言わずと知れた名作なので、もはやあらすじを語るのも野暮というもの。
ざっくり言えば、闇の冥王サウロンが作った一つの指輪を、サウロンを討ち滅ぼすために滅びの山に捨てに行く、という話。

原作も長いが、あまりの長さゆえに、この250分×3作にしたって入り切らなかったようで、重要なエピソードが結構カットされている。おいおい、このエピソード切ったら、違う物語になっちゃうじゃん、と思わなくもないけれど、いくらなんでも何でも突っ込めば時間がいくらあっても足りない。

ハリポタといい、ロード・オブ・ザ・リングといい、ファンタジー映画絶世期だったころの児童文学は、とにかく厚くて長いファンタジーが大流行りだった。長ければ長いほどいい、みたいな風潮があったけど、やはりブームというのは劣化コピーを沢山産むようで、私が児童文学を卒業するかしないかのうちに、そういった長編小説は青春系ライトノベルにその地位を奪われていった。

アラサーになって、人殺しと絶望に塗れた大人向け小説に倦んだ私が、ついでということで、久々に純粋な(?)心を取り戻したい、と、図書館職員に「何やってんですか」と職務質問めいたことを言われながら児童文学コーナーに来てみたが、あれや不思議、置いてあるのは私が幼い頃に流行った小説ばかり。

名作というのは不朽なものね。
考えてみれば指輪物語だって第二次世界大戦ぐらいの作品だものね。

結局新しい物語は見つからず、純粋無垢な世界に侵入しようとした罪を罰せられる気分で、子供たちの楽園を後にしたのでした。

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