見出し画像

『一級建築士試験の勉強法-学科編-』

 こんにちは。

 前回の記事より時間が空いてしまいました。2020年度の一級建築士試験の申し込みが始まっていますね。

 前回『一級建築士試験勉強は自らコントロールせよ』という記事で、実際に一級建築士試験に臨むためのスタンスについて書きました。その中で、重要な事として「学校に通うか」「独学で臨むか」自分にとってのメリット・デメリットを考え決断する事が重要である事を述べました

 今回は、実際に学科を独学で勉強して1発で合格した経験を基に、学科の勉強法について書きたいと思います。

■はじめに

 ここで1つ建築士の勉強をするにあたって重要だと思う事を先に書いておきます。それは「自分の勉強スタイルを見つける事」

 現在世の中には様々な情報が溢れ、自分で情報の真意を見極めながら、取捨選択をしていく力が必要です。これは一級建築士試験勉強についても同様で、学校が推奨する勉強法、ネット上には経験談による十人十色の勉強法が溢れています。しかしそれらは誰かにとってのベストであり、自分のベストではない事。自分が良いなと思った勉強法をベースとし、情報として溢れる様々な勉強法を見て、それらを組み合わせながら実践を繰り返し、「自分の勉強スタイルを見つける事」を大事にしてください。


 情報をそのまま享受し、それをひたすら繰り返しても合格はできません。情報を見極め、試行錯誤しながら自分の勉強法を見つけて下さい。そうすればきっと合格できます。私がここに書く勉強法もその情報の1つです。取り入れそうなものは活用し、必要ないと判断すれば捨てれば良いのです。

■私の勉強とする前提

   まず私がどのような状況で勉強をしたのか書きます。独学、テキストは知り合いから頂いたH28の日建学院のテキスト、問題集です。本格的に勉強を開始したのは受験の申し込みを行った4月中旬です(ちょうど一年前の今頃です)。目標点数は100点以上。これまで建築士の勉強経験無し。

■Step.1勉強法による分類


 独学で重要な事は「勉強時間を確保する事」。私の場合は実質の学科の勉強期間は3カ月であったので、家で机に向かって勉強時間を確保するだけでは明らかに勉強時間が不足していました。 

 そこでまず「隙間時間でも勉強できる科目」と「机上で勉強すべき科目」に分類しました。


◆隙間時間で勉強できる科目


〇計画
〇環境設備(計算問題以外)
〇構造(構造計算以外)
〇施工

◆机上で勉強すべき科目


〇法規
〇構造(構造計算)
〇環境(計算問題)

 このように分類してみると、「隙間時間で勉強=暗記」「机上で勉強=法規と計算問題」となります。

 実は割合でいうと感覚的に「隙間時間:机上=7:3」で良いのです。まずは自分が1日で隙間時間と机上での勉強時間を含めどのくらいの割合でどの程度時間を確保できるのか考えましょう。

■Step2.科目ごとの勉強法

〇計画(私は16/20)


 計画は暗記問題です。しかし暗記項目は無限大です(建物名称や建築史の項目など)。そこで大事なのは目標(ゴール)を決める事

 経験から言うと、過去問10年分を暗記(理解)する事ができれば8割はとれます。理解と書いたのは単に暗記では無く選択肢の内容については全て理解する事です。例えば語句や建物名称であれば語句の意味、建物の写真や問題として挙げられる特徴まで覚える事です。

 私は過去10年分をやる時間が取れないと思ったので、目標を「最低限問題集にある問題は全て理解+できる限りで模試の選択肢や参考サイト(最後にURLを載せてます)の項目を理解」としました。あとは繰り返し何度も行い、目標は全てこなす事です。もちろん本番は見たことない選択肢がいくつか出ますが、勉強する際は捨てる勇気も大切です。


 また内容により得意不得意があると思いますが、都市計画やまちづくりなどは点数を取れ、建物名称についての問題(近代建築)は見たことない問題が出る為割り切る必要があると感じました
※参考サイト


〇環境設備(計算問題以外)(私は17/20)


 環境設備も計算問題以外は暗記です。これも勉強方法や目標としては計画と同じですが、大事な事は仕組みを理解する事。環境設備は私たちの周辺の環境で起きている現象を明らかにし、建築(機械)等を通して解決しようとしているものです。その為単なる暗記でなく、現象や解決の為の仕組みを理解しながら覚えていく事が必要だと思います。

 例えば、問題を解くために公式が多く出てきますが、これも1つ1つの項目を確認しながら覚えると納得できます。また計算問題も解く手順を頭の中でイメージする程度であれば隙間時間でもできますよね。

〇構造(構造計算以外)(私は26/30)


 構造も計算問題以外は暗記です。構造は環境設備と非常に近い暗記であると思います(目標は計画と一緒)。建物が建っている仕組みやその確認方法(許容応力度や限界耐力など)を理解しながら覚えていく事が大事です。

 仕組みがある程度理解出来たら、あとはポイントとなる数字(今日応力度の値や限度値など)をひたすら覚えていけば良いです。仕組みも分からないまま数字や語句を暗記するので多くの人が覚えられず苦手としてしまうのです。

 また構造計算も環境設備と一緒で解く手順を頭の中でイメージする程度であれば隙間時間でもできますよね。

〇施工(私は18/25)


 施工も暗記です。施工は計画と非常に近い暗記であると思います(目標は計画と一緒)。

 ポイントは数値を覚える事と語句の意味を理解する事。カタカナがいっぱいでてきますので語句の意味を抑えながら、実際の事例(自分の関わっている案件など)をイメージすると理解が進むと思います。

〇法規(私は28/30)


 法規を解く際は必ず法令集が必須です。その為、必ず机上での勉強をお勧めします。私は法規も目標は問題集を全て解く事としましたが、暗記では無く、法令集のどのページに何が書いてあるか凡そ理解できている事が感じられるようになる事が本意です。

 法規は法令集を見ながら選択肢の正誤を見極める試験です。ポイントは「時間」「文章を正しく理解する力」です。

 「時間」については最初から素早く法令集を引ける人など存在しません。その為まずは問題集の選択肢の答えを見ながら法令集引くという行為を時間をかけて行い、文章を読んでその場だけでもいいので理解することから始める事をお勧めします。それを何度も繰り返すことで、法令集を引くスピードも早くなり、どこに何があるかが掴めるようになります(インデックスは大いに活用してください)。

 「文章を正しく理解する力」についてはテクニックなどインターネットで探せば色々出てくるので試してもらえればよいですが、注意することは、何となくこれっぽいなとかたぶんこれだなと思って法令集を引かずに解答しないようにして下さい。正誤の当たりをつけるのは問題ないですが、それを文章で確認するという行為を省いてはいけません。


〇構造(構造計算)、環境(計算問題)


 計算問題はほとんど公式に基づいています。仕組みを理解し、公式を覚えていれば後は数値を落とし込む作業です。

 実際に解くフローなどを一通りイメージし、数字を当てはめ問題を机上で解いてみて下さい。計算問題は色々なパターンに触れることが重要だと思います。きちんと理解できるまで練習して下さい。

■最後に


 今回は勉強法といっても具体的なポイントについて書きました。これはあくまで最初に述べた情報の1つですので、自分で真意を見極め、取捨選択をして下さい。ちなみに私は3カ月で前記の勉強を繰り返し、105点取りました。勉強の割合でいうと実際に「隙間時間:机上=7:3」でした。

 また指標として勉強時間を挙げる人も多くいますが、私は成果主義なので時間よりも自分の理解度の感覚を指標としていました。
 学科試験まで残り3カ月、コロナウイルスで不安定な社会的状況ですが皆さまが1回で合格できますように願っております。

#一級建築士試験  

#一級建築士  

#独学

#勉強法

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?