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目の前のひとはいつかの自分。

今から数年前に出会い、ずっと心の奥で
憧れていた資格がありました。

資格を知った当初、あちこちの学校に
見学に行きましたが、ハードルの高さに
あえなく撃沈。

自分には無理だろうな、と思い、
実際にその資格を持つ方からも
「あなたにはまだ早い」と言われ、
(勉強を始めてからその発言が不適切
 だったと知りました)、

やっぱり無理なんだ、と諦めて、
すっかり忘れていました。

けれど資格の存在を知る前と、
知ってからもずっと、
ひとつの信念がありました。

仕事を通じて出会う方々、
目の前におられる誰かは、
「過去や未来のいつかの自分」
と思って接すること。

人とのやりとりが多い仕事を
選んで来たので、老若男女問わず、
出会いをたくさん経験出来ました。

人生ではさまざまな役割や立場に
置かれる場面があります。

昨日と明日では立っている場所が
変わることもあると気づきました。

過去に自分が見えていた世界を、
目の前の方が見ているかもしれないし、
未来の自分が見る可能性のある景色を、
目の前の方が生きているかもしれません。

だから出会えた方には少しでも
元気になって帰って欲しいな、
と思うのです。

今ではない自分が居る世界に、
そういう人が居て欲しかった、
そういう人が居たらいいな、
という思いが込められています。

その信念を持つ中で、
もっと自分に知識や強みがあれば
と思う経験も重ねてきました。

そして人生何度目かのピンチに
遭遇した直後、わたしは無意識に
学校の資料を取り寄せていました。

同時期、偶然出会った人たちから、
「あなたはこの資格に向いてそう」
と紹介されたのもこの資格でした。

家に届いたばかりの資料を思い、
笑ってしまったのを覚えています。

取得は相変わらずハードルが高く、
その壁がわたしにはとても大きいので、
たぶん無理かもしれないと思いました。

でも、今この波に乗らなければいつか
後悔するのではないか、と思いました。

正直なところ、やって後悔することは、
やらない以上の不安がありましたが、
決意をしました。

そして紆余曲折ありながら、
無事に試験に合格したのでした。

わたしの好きな言葉に「一期一会」
があります。

わたしが何度も出会いに助けられて
来たと思うからです。

こどもの頃から大の人見知りです。

それでも勇気を出して行動した先で
あたたかな対応をして下さる方々が
居たから(よし、めげずにがんばろう)
と思えたのです。

残念ながら帰り道に涙をこらえる
ような対応をされたこともあります。

目の前の方が、今、どんな思いで
そこに立っておられるのか。
ようやっと勇気をふりしぼって
ここまで辿り着かれたのかもしれません。

それがスーパーでも、ファミレスでも、
書店でも、公共の施設でも。

働く場所がどこであっても、
その方が笑顔で帰れるような対応が
出来る人になりたい。

同じように不安や悩み、
それぞれの希望を持つ方に
寄り添って応援できる人になりたい。

なによりわたし自身が今も
たくさんの不安や悩みとともにあり、
学びを深めて変わりたいと思ったのです。

「資格を取って、何か変わりましたか。」

そう尋ねられたら、苦笑いしてしまう
のが現状です。

まだ、何者にもなれていません。

このわたしのままで、
出来ることを探していくことが、
わたしの道なのかもしれません。

これからもひよこが砂埃をあげながら、
長い道のりを一歩ずつ進んでいく姿を
応援して下さると嬉しいです。




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