お話4 好きな人の宇宙
どこか、人の世界に触れることは
果てしない孤独を感じることでもある
好きな人なら、なおさらのこと
その人の、ひとつの宇宙を
知ってしまうからだ
人の宇宙に触れた、そのとき
私の宇宙があったことも、まるで、はじめてのように思い出す
宇宙と私は、意識することもなく、いつもぴったり、ひとつだからだ
そこに孤独はない
人の宇宙に触れるとき、私の宇宙を思い出す
そうして孤独を思い出した私は
私の宇宙を慌てて取りに行こうとする
それでも、私たちが友だちになるためには
毎日、相手の隣に行って、最初は無口で、毎日少しずつ、近づいていくこと
星の王子さまのキツネは、そう教えてくれた
好きな人の宇宙を知ることは、素晴らしいことだ
その宇宙も、私のことを、好きだと思えたら、尚更だ
そのためには、宇宙と友だちにならないといけない
私は宇宙のまんま
例え、昔のように、宇宙を取りに行こうとしても
取りに行くものなんて
なかったと知る
そのうちにきっと
宇宙においてきた私の孤独は
なくなっている
やっぱり、好きな人の宇宙って
素晴らしいのだ
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