悩める小学生、事故と難病を引き寄せる。

小学校に入学し、自分が出来ないこと、苦手なこと、嫌なこともしなくてはならない日々に苦戦していました。
また、きょうだいからのいじめもあり、私には家にも学校にも居場所が無いように思えていました。
今となれば、それは自身の成長の為に必要なことだったと思えますが、当時の私には苦痛でしかありませんでした。

その当時、夏休みになると「難病の子供」をテーマにしたテレビドラマをやっていました。
子供たちがそのドラマを見て学び、自分の人生に生かすという目的でやっていたのだと思います。
しかし、マイナス思考になっていた私は、「いいな~」と、うらやましく思いながら、いつも見ていました。
病気になれば学校に行かなくていいんだ。
病気になれば周りの人が心配して、優しくしてくれるんだ。
病気になれば死ねて、この世界を出られるんだ。
そんなことを本気で思っていました。

私の願いは、いつも忘れた頃に叶います。

小学校4年生の6月、私は車にひかれる事故に合います。
そこは信号機の無い、見渡しの良い横断歩道でした。
その日、私はスイミングスクールで25メートルを初めて泳げました。
嬉しくて、嬉しくて、早く、母に伝えたかった。
そして、スクールバスを降りて、全速力で道を渡る野良猫のように、何も見向きもせず、走り出したようです。
当たりどころが悪ければ命を落としていた事故でしたが、全身打撲の入院一週間程度のケガでした。
これは、まだ前触れです。

そして、事故から3か月後の9月。
ある日、母が怖い顔で私の腕を摑み、「これ、どうしたの?」と聞いてきました。
私は「なんのこと?」と思い、自身の右の二の腕を見ました。
すると二の腕の下半分、真っ青になっていました。
自分でも何が起きたのか、どうして青いのか、わかりません。
私が「わからない」と答えると、母は怒っていました。
多分、そのときは、私がいじめにあっているとでも思ったのでしょう。
それからしばらくして、鼻血が出るようになりました。
それが頻繁に起こるようになり、出始めると1~2時間止まりません。
からだ中にも内出血のあざが増えました。
さすがにおかしいということになり、母と病院に行くことになりました。

検査の結果、「特発性血小板減少性紫斑病」という難病に罹患していることがわかりました。

私の忘れていた願いが叶った瞬間です。
願いが叶ったのに、何もうれしくありませんでした。
そのまま、大学病院に移送され、緊急入院することになりました。
何が起きているのかわかりません。
ただただ、涙しか出ませんでした。

お昼ごろに大学病院に着くと、父が仕事先からちょうど来て、病院の食堂で鰻弁当を買ってくれました。
鰻が好きだったわけではないのですが、鰻と言えば高価で特別なものですし、何より精がつく。
父なりの励ましだったようです。

それを持って小児科病棟に行くと、担当医の先生が来て、「鰻弁当いいなー」と言いました。

ここから、私の2か月におよぶ入院生活が始まりました。

「引き寄せの法則」とかよく聞きますが、良くも悪くも、子供も大人も、思うこと、願うことは叶います。
特に悪いことの方が思いが強いので、叶いやすいのかもしれません。

子供だと家や学校しか世界が無いと逃げ場がありませんし、他からの情報が無いと違う考え方を知ることも難しい。
でも、大人は自分次第でいくらでも違う世界を探したり、情報を調べて、考えを変えたり、膨らませたりすることができます。

願わくば、幸せに生きる未来を!

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