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出発4日前

「パニック障害って、それって脳内の物質の問題で、そのせいで心が良くない事になるんですよ。知ってました?」

「知ってますよ。僕も散々やらかして病んで来たんで 薬も、その物質の何やらも何となく知ってます」

「だから病気は、病院で治さないと治らないんですよ」

「そうですよ それは知ってるんです。だから、
治さなくても生きていけるから そんな事が言えるだけだと思うんです。」

「うーん」

「でも言えないでしょう。そんなの相手に言えなくないですか?」

「言えないもんかあ 言えないよね 」

「私の何が解かるのって、何でも当てはめて言える言葉だと思うんです。
よくある話の話し言葉、謳い文句みたいなもんだと思うんです。

誰が聞いたって解る話って言うのは、

人を殺すには理由がある、あるけど、それは理由にならない、と同じで。
私には私の事情があるって言われても、その事情は世間知らずだし、非常識だし、人様を何だと思ってるの?みたいな 」


「まあ、あと相手の家族の事があるよね 」

「そうなんですよね。 引っかかるのは、最終的に聞いておきたいのは、そこにもあって。それだけで引き際を作る事が出来ると思うんです。ここまでそれでやって来れたんだから。

だから、お前ら人から送られてきたものを何だと思って 飲み食いしてたんだよ?って部分で 」 

「良い人 あしながおじさん」

「そう。それなんですよね。断言できるでしょ。僕も同じ気持ちになるんです。 だから、僕もそう言っちゃってしまって。本人に。」

「それで?」

「本人はそこからだんまり決め込んでるんですけど 」

「うーん、難しいのかなあ。」

「そうですよね。 難しいなあ、じゃなくて、難しいのかなあ、って事 」

「うーん 」

・・・・・・・・・・・・・・

「なんか人生損した気がして、それってもう最悪の答えの出し方だと思うんです」

「うん 」

「後悔して、後悔して、でも、そこからは自分で解決するしかないというか消化しきるしかない。けど、後悔したらその矛先は?って。
普通に考えたら、人間そんな簡単に綺麗には治まらないと思うんです」

「うん」

「だからどうするって、そこでどう立ち止まるかは その人それぞれって事になると思うんですけどね 」


「もしかしたら良い事も悪い事もあるかもしれないし。もしかしたらいい結果が待ってるかもしれないよ 」

「絶対ないでしょ。絶対そんなこと思ってないでしょ。
それこそ非 現実的すぎる話だと思いながら言ってません?」

「やっぱり。 そう考えるのが人の道理かな。 」


「男の人は物事を最短で考えようとする。女の人は、その過程とかを楽しもうとするの 」

「そうなんですか? 男は記憶をフォルダ分けする。女の人は記憶も想いでも上書き保存とは聞いたことありますけど。それは個人的にはよく解かる気がしてて 」

「そういうのもあると思う。けど、それもそれで、基本的にはそういう所でも男と女では違いがあるもんだと思う。」

・・・・・・・・・・・・・

「自分がしたいようにすればいいんだよ あんたは別に悪い事をしてないし、その子には少なからず4年も猶予を与えたんだから、もう私だったら「行くから!」だけでもう行くわ。」

「すっきりしない。白黒はっきり付けたいなら行けばいい。いちいちなんでまだ気にしてるの。私だったら区切り付けたいし、そんな訳分からない話にさ。」


「そもそも相手にも事情があるけど、あんたにも事情がある訳だし。
あんたも色々言われてるだろうけどさ。
もう十分やれる事をあんたはしたよ。出来たよ、良く出来たよ。
私からはそれしか言えないし、難しいけど、それしか言えない。」


「私もはっきりさせたい派やから、区切りつかんと次にいけん、でも、その決意をしたことは凄いと私は思うよ。」


僕は心が折れそうになるじゃなくて
折れ続ける毎日毎秒に遠い目をしてる。

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