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0519 洗練 日記


洗練
読み方:せんれん
《物を洗い、または練ってよくする意から》
1 詩歌・文章の表現を推敲して、よりよいものにすること。「—を極めた文体」
2 人柄や趣味などを、あかぬけのした優雅・高尚なものにすること。「—された着こなし」



5月19日日曜日

この日は本当に、1日があっという間で
ひたすら忙しなく動いていたけど
とても清々しい気持ちで幕を閉じれた。



旧大湊小学校を舞台に開催されたイベント
【洗練-senren-】

私はMOLE FACTORYとして
このイベントに出店として参加していた。

企画のタイトルのだけあり、このイベントに参加する方々はどこもこだわりが詰まった名店、名作家ばかり。
そんな中に当工房も並ばせてもらえるなんて、
非常に光栄な気持ちだった。


会場のすぐそばには海がある。
この地域は元々、伊勢の物流拠点として栄えていたそうで。

合併により令和3年に廃校となった小学校の校舎全域を使用して行われる、かなり大規模な催し物で、今回が第二回目の開催。
我々は今回初参加だった。

第一回目については、3000人以上の来場者を記録したらしく、その盛り上がりはいたるところで話題の絶えない好評ぶりだった。

各方面から当時の噂を耳にしていたので、今回参加するにあたり、かなり心して準備していた。

しかし早々に、私はまさかのミスをしてしまう。

早朝から店で積み込みの準備をし、オーナーよりも一足早く現場へと向かった私。

が、しかし。私は地元は伊勢市ではないため
大湊町にはあまり足を運んだことがなく、大湊小学校へ向かうのも勿論初めて。

ここで私は、自身の方向音痴を思い切り発揮してしまうことになる。

どの辺に小学校があるのか、薄ぼんやりとは分かっていたのだが、細かい道順を知らなかったため、ネットで「大湊小学校」と検索をし、ヒットした住所をナビに打ち込み、車を走らせた。

まずそれが間違いだった。

後でわかったが、そのとき私は誤った住所を入力していたようで、幸い本来の目的地の近辺だったので大きな問題にはならなかったが、

何が言いたいかというとつまり、
私は迷子になっていた。

走れども走れども、自分が想像している道と
どうにも違う場所を示してくるナビ。
土地勘のない地域のため、そもそも合っているのか間違っているのかもわからない。
28歳、朝からちょっと涙目。

幸い、私は令和を生きる人間なので
スマホやLINEという便利な手段を持ち合わせていたおかげで、現地のオーナー達に連絡を取り、位置情報を共有してもらうことで、どうにかこうにか辿り着けた。

本来、店から10分ほどでたどり着ける場所に
私は30分かけて到着した。

時代が違っていたら、私はきっとイベントに参加さえできてなかったのだろうな。恐ろしい。


私の到着が遅れてしまったため、オーナー達は
搬入作業にさぞ手こずってしまうだろう…と内心焦っていたが、着いてみるとすでに搬入は終わっていた。

不思議に思っていたが、聞くとこのイベントには大勢のボランティアスタッフの方がいて、ほぼ全ての機材をそのスタッフさんたちが運んでくれたのだという。

これまで沢山のイベントに出店してきたが、ここまで店側に渾身的な体制を作っているイベントもなかなかない。

ボランティアスタッフの方々は皆さん一様に、眩しいくらいの笑顔を振りまき、出店者のサポートをしていたり、車両への案内を行っていたり、かなりの人数が携わっているにもかかわらず、その団結力は目を見張るものだった。

それもきっと、主催者である2人の

「お客さんも、出店者さんも、近隣の人々にも、
このイベントに携わる全ての人に、気持ちよく楽しんでもらいたい」

という、細やかで温かな気配りがあってこそ。
そんな2人の熱い想いを、ボランティアとして参加しているスタッフのみんなが汲み取っていて、それが行動や表情に現れていたのだろう。

人の心を動かす、というのは
こういうことなのだなと、そう思った。

校内についても
「借りた時よりキレイにしてお返しする」
ことをモットーとしているらしく、各店へゴミ袋を配布したり、お客さんのゴミは受け取ってあげてくださいとアナウンスしていたり、その気配りの細かさたるや、感心でため息が出るほどだった。



イベント開催時間は11時から16時まで。
今年もかなりの来場者数を予想していたが、
とはいえ、みんなまずは飲食店を重点的に巡りたいはず。

11時の開始時刻になる前から、大量のお客さんが押し寄せており、当店ブースの向かいにある飲食店はたちまち大行列に。

私たちはワークショップでの出店なので、大抵のイベントでは序盤はゆるやかなスタートとなるのが定番。今回もそうだろうと内心たかを括っていた。

が、しかし。開始早々、お子さん連れのお客さんが私たちのブースへ何組も足を運んでくださり、おかげさまで11時の開始から15時くらいまで、ワークショップは留めどなく続いた。

正直、こんなに忙しかったのは初めて。
ほんと、テンテコマイって言葉がぴったりだった。

目がまわるような忙しさだったが、子供達がとても満足そうに楽しんでくれていた姿を沢山みられて、忙しいながらも私の心は満たされていた。

ワークショップでは新しい試み!
ちっちゃいデザインを沢山つくった。
そのせいで余計に忙しかったよ!!!


当日は小雨の降り注ぐしっとりとした天気で、普段より気温もぐんと下がっている筈だったのに、人の体温とはすごいもので、体育館内は汗が滲むほどの熱気に包まれていた。
朝は羽織ものをしていたみんなも、気づけば半袖。最高気温20度以下だったよな…?



私たちのブースは体育館の中の一角にあり、屋内のステージではDJやLIVEも行われていた。
あまりの忙しさから、他のお店へと足を運ぶことはなかなか叶わなかったが、賑やかでポップなDJと、バンド「POTOF」の豊かで穏やかな音楽が私たちの気持ちを自然と盛り立ててくれた。

出店エリアについては、ホントにラッキーだったとしかいいようがない。



ワークショップがひと通り落ち着いた頃には、15時を迎えていて。周囲の話によると、どの店舗も飲食系はほぼ完売状態。
途中、ガパオライスの差し入れがあったおかげで何もたべられないという状態は避けられた。
疲れた体に、濃いめな味のガパオはよく沁みる。

美味しかったガパオライス。
インクでドロドロなマイハンド。
そんな手を見てみんな、「たくさん頑張った手だね〜」
って褒めてくれた。



バタバタとした仕事をこなす最中で、知人たちが私を見つけて声をかけてくれる場面が何度もあった。

忙しくてゆっくり話すことはできなかったけど、わざわざ私を見つけてくれたことや、嬉しそうにブンブン手を振ってくれたことが、なんだか無性に嬉しかった。

ここ数年で、気づけば私には友達が沢山出来たのだな、と。こういう瞬間にしみじみ噛み締める。




そんなこんなで、あっという間にイベントは終わった。
体感でいうと2時間くらいしか経ってないのに。

あまりの忙しさから、私は校舎内のブースは一つも回れなかった。
でも、それだけ来場者が多かったということ。
このイベントの凄さを感じる。

でもブースが近かった「coffee uno」さんや、度々イベントで一緒になる雑貨屋の「ポトフスーベニア」さん、お隣だったアーティストの「あきたあもう」さんで、自分へのお土産も手に入れることができたので、ホクホクとした気持ちで終えることができた。


撤収作業も、ボランティアスタッフさんのおかげでスムーズに終えることができた。
みんな疲れていただろうに、本当に有難い……。


私はイベントの主催なんて勿論経験したことはないが、ここまで大規模な催しをたった2人でまとめ上げているのかと思うと、主催のお2人には本当に頭が上がらない。


自分たちの生活をすり減らしてまで、このイベントに力を注いでいるのだ。
そこには私たちが想像も出来ないような大変さがあったのは間違いない。

私だったら辛くて泣いてるだろうな。
きっと泣きたくなる瞬間なんて幾度もあったのだろう。

それでも、何十人、何百人とイベントに携わる人たちへの思いやりは忘れずに、この企画を最後までやり遂げたのだから、その達成感は言葉に出来ないくらい大きなものだったと思う。

多くの方が協力してくれる
というのは、その瞬間限りの出来事ではない。

これまでの振る舞いや、みんなへもたらしてくれた心配りがあってこそ得られるもの。
「大好きな2人を助けたい!」という気持ちが、日々の触れ合いの中から、自然とみんなの中に芽生えたのだ。

時間をかけて育まれた
「愛」と「信頼」があってこそ
築き上げることができる1日だったのだ。


主催のand bull ミサさん、
やまなみベーグルのゆきほさん。
本当にお疲れ様でした。

"お疲れ様"なんて一言じゃ、労りきれないくらいすごいことを成し遂げているお2人。

「しんどすぎるから、もうやらないっ!笑」

と、いってましたが。笑
ほんと、大変なこと、つらいことも沢山あったと思うので
「第三回もやってください!」
なんて、軽々しく言えないなとも思う。

けどもし、また何か突き動かされるものが内側から湧いてきたとしたら、その時はぜひ、またこんな素晴らしいイベント、やってほしい。
という気持ちも本音。

もしその時が来たのなら、
いつでも私たちのこと頼ってくださいね。


イベントのあの猛烈な熱気。
それが過ぎ去った今でも、
心の中にはまだ、温かさが残っている。

この温度を生み出したのは、
紛れもないお2人の存在。

誰よりも心の深い人たち。
そんな素敵な人たちに、手を差し伸べない人なんて、この町にはいないのですから。

イベント後に体力が残ったメンバーで
ちょっとした打ち上げも。
イベント中には交流できなかったみなさんと
仲良くお話しできて嬉しかった〜っ

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