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地産地消も地域自治も、「でかいシステム」に依存して成り立つサブセットである

 まちづくりなんかでは、しばしば地産地消みたいな話が望ましい状態として語られがちだけど、よくよく考えてみると、狭い範囲にクローズドな地産地消への一本化はすげーキツいってことがわかる。そもそも、それができる立地が限られている。だから、そういう「閉じた範囲で地産地消をできるくらいに、恵まれた立地に憧れるよね」という夢の話ならわかるけど、「地産地消をすれば恵まれた立地になれるよね」という因果の逆転が起こるわけではない。

 また、狭い範囲の地産地消をすると、天候や災害などのリスクをヘッジできない。例えばみんながみんな地産地消しかしてない場合、例えばある地域で日照りが続いたり、津波でやられたりして十分な生産をできなくなったとき、他の地域から融通してもらおうにも、他の地域も地産地消で自分たちで食べる分しか作ってないわけだから、あとは飢饉になるしかない。地域間の流通や融通が十分発達していなかった中世や近世にはしばしば起こったことだ。

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