いつのまにかもう3月の日記

如月桃子

2024年3月18日 16:29

いつのまにか3月になっていました。

3月から私の担当する展覧会がはじまりました。

展覧会がはじまる前も、あちこち走り回る日々でしたが、展覧会がはじまってからも、息をつく暇もなく、関連イベントの準備や取材の対応に追われていました。

先週の土曜日に作品解説会を終え、ようやくふうと一息つけました。

はじめて展覧会を担当して、改めて感じたのは、展覧会は自分一人でつくるものではないということ。

上司や、同僚、美術館ボランティアさん、印刷や会場作成の業者の方々、広報してくれるメディアの方々など、たくさんの人たちの協力があって、ようやく開催できます。

そして、展覧会は、観てくださる人がいなければ、展覧会にはなりません。
会場に置かれたアンケート一つ一つに目を通しながら、ときおり会場を歩きながら、美術館を訪れる人たちの反応を窺っています。
厳しい意見も受け止めつつ、温かい感想に励まされています。

昨年noteでみなさんに伺った「理想の美術館」に近づける工夫もしたつもりです。

未熟な点が多々あって、配慮が足りなかったと反省していることも多いですが、たくさんの人に協力してもらったおかげで、いい展覧会になりました。

展覧会は4月はじめまで開催しております。

3月のある日

展覧会がはじまってまもなく、休日に中高からの友人ふたりが美術展を観に遊びにきてくれました。

自分の担当する展覧会を、友人たちが観てくれる。

これは、私の夢がまたひとつ叶った瞬間なんだな、と一緒に会場を歩きながら、じんわりと胸が熱くなります。

その日のお昼は野菜のおいしい農家レストラン、夜はクリスマスに訪れたスペイン料理店へ案内しました。美術展を観てから、夕ごはんまで時間があったので、一旦わが家でお茶を飲むことに。夫・ぺこりんと友人たちは初の顔合わせです。

noteを読んでくれている友人は、「ついに、ぺこりんさんと会える！」と会う前から喜んでくれました。
そして、ぺこりんと対面した友人は、「いつもnoteでぺこりんさんのお話を読んでいます」と挨拶してくれましたが、ぺこりんは私のnoteを読まないので「なにを書かれているんだろう…」とほんのり不安気なようす。
好き放題書いております(ごめんね、ぺこりん)。
でも、友人は、想像していたとおりだ！と言っていたから、嘘はついてないよ。

友人からもらったおやつでごきげんになったぺこりんは「仕方がないからみんなと遊んであげようかな」と言ってボードゲームをはじめます。(本当はみんながぺこりんと遊んであげているのです)

私たちは結婚式していないので、私もぺこりんも、自分の友人たちを一度にではなく、こうして一人一人紹介しています。友人の住むところに旅行したついでや、帰省のついで、または今回のように友人を家に招待して。おいしいものを食べたり、ボードゲームをしながら。

私の大切な人たちを大切な人に紹介できて、しあわせなひとときでした。

3月の別のある日

ぺこりんの会社が、急に方針を変え、今後研究は行わないと宣言する。

まだ今後の方針がはっきりとは示されていないようですが、研究者であるぺこりんの仕事が大きく変化しそうです。

転勤の可能性もあるとのこと。

その話を聞いて私はだいぶ動揺してしまいました。

いつもと変わらずにのほほんとしているぺこりんに、「これからも一緒に暮らせるように、早く転職先を探してよ」といらいらをぶつけてしまいました。

私が将来が見えずに不安だったときに支えてくれたぺこりんへの恩も忘れて。

いまは、どうなるかわからない不安はあるけれど、やれることをやるしかないのだ、と思い直しています。

まだ転勤すると決まったわけではないのだし。
転勤が確定すれば、ぺこりんも転職を考えるのかもしれない。
もし転勤するとしても、一緒に暮らすための転職は、ぺこりんだけじゃなく、私にだってできるわけだし(私は今の職場が好きだから、できることなら転職したくないけれど)。

ぺこりんと一緒にいられる時間が減ってしまうのはすごく嫌。

せっかく二人でしあわせに暮らしているのに。
人のこと、人の生活を大切にできない企業に未来があるのだろうか、とも思ってしまう。