【エッセイ】利己的不安症
私は不安だ
何をするにも不安がついてくる、
「みんなそうだから」
と窘めされることがままある
しかし、
他の人など知ったことじゃない
私は不安なのだ
不安で不安でしょうがない
誰かがいじめられていたとき
まず、自分が疑われないように考えた
誰かに告白されたとき
まず、自分の自由が無くなることを考えた
親が亡くなったとき
まず、自分の今後を考えた
ひどく利己的でどうしようもない、
どうしても考えてしまう
あの時、
どう思われていたのだろうか、
誰かに寄り添えたのなら、
思考に飲まれると
全身がこわばり、吐き気がする
不安だ、
でも、
私は私を嫌いになれない
どういうわけか
私はそういう人間なのだと
胸を張ることすらできる
何故なのか、正直よくわかっていない、
私は、きっと
これからも
これまで通り
どうしようもなく利己的で
どうしようもない不安を
抱えていくのだろう
『利己的不安症』