赤いキーホルダーのはなし
記事の書き方で数十分悩んで今に至る。
慣れん。
当然か。
忘れられないはじめての罪悪感は、保育園。
赤い林檎かハートか忘れたけど、私と同じ名前が彫られたキーホルダー。
おちてたのを私のモノだと勘違いして、誰かが私のところに持ってきてくれたの。
ちがうって言えなくて。私のじゃないよって思ってたけどなんか言えなくて。
黙って受け取ってしまった。
それから怖くなって、自分はとんでもなく悪いことしてしまったんじゃないかと、
泥棒になっちゃった、とすごく怖くなって。
そのキーホルダー、トイレに捨てた。
そしたら今度はトイレが詰まるんじゃないか、詰まった原因はこれだって、怒られるんじゃないか、あなたのせいだよって先生に怒られるんじゃないかと、恐怖と罪悪感が二乗。
倍じゃない二乗。
泥棒したうえに、人のもの勝手に捨てた、トイレ壊した、と。
想像力って悪い方にいくらでも膨らむし、
誰にも言えず、もはや何からカミングアウトしていうかもわからず。
泣いたよね。
ごめんなさいごめんなさい。
今度は
あたしのじゃない違うよっ てちゃんと言うから、
本気で時間を戻してくださいってお願いした。
まだ人生歴1桁のあたしなりに感じたあの押しつぶされそうな罪悪感と自責の念は、いまでも忘れられないなぁ。
結局、何もなかったんだけどね。
そんな赤いキーホルダーのおはなし。
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