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グループアイドルのメンバーはいかにして売り込めばいいんでしょうか?

前回の記事でビジネスの視点から、楽曲フォーメーションの1列目、2列目がどのように選ばれるのかを考察してみました。この中で、グループアイドルのメンバーを、言葉のイメージが悪いですが、ファン全体の80%のファンの興味の対象、売り上げ全体の80%を持ってくる「強者メンバー」、それ以外の「弱者メンバー」と分類しました。

私が応援しているまなふぃこと高瀬愛奈さんは、弱者メンバーに分類されるわけですが、今回は、弱者メンバーが取るべき売り込み方について考えてみます。

■強者メンバーは倍々ゲームで実力をつけていく

「アイドルとして強者メンバー」の有利な点は、強者メンバーであるがゆえに、様々なことを経験する機会や新たなことに挑戦する機会に恵まれるため、歌唱力・ダンススキル・演技力・対応力といった芸能の力量をもつ人へと成長する可能性が高いという点です。

弱者メンバーは強者メンバーに追いつこう、同じようになろう、追い越そう、頑張ろう、っていう意識になりがちかもしれません。例えば

ファッション雑誌の専属モデルになりたい
TVのCMに出演したい
ゴールデンタイムのテレビ番組に出演したい
ドラマの演者として演技したい
表題曲のセンターになりたい

等です。でも、この領域には強者メンバーがすでに存在し、しかも別のアイドルグループの強者メンバーもいる状況。競争が激しく、さらに強者メンバーはどんどんと経験値と力量を上げていっているわけです。ここに割って入るのは至難の業です。

また、事務所は企業であるがゆえに、弱者メンバーのプロモーションに対するモチベーションが低くなります。

このように、弱者メンバーが、強者メンバーと同じ土俵で、同じやり方をするのは非常に困難だといえます。

■弱者メンバーのための戦略:弱者の戦略(ランチェスター戦略)

じゃあ弱者メンバーは売り込み方をすればよいのでしょうか。

弱者の売り込み方で有名な戦略に、「ランチェスター戦略」のなかの「弱者の戦略」があります。小が大に勝つ戦略です。

基本戦略:異なるものを持つ、異なるやり方をする(差別化戦略)
小さな市場、ニッチな市場、小さなセグメントを狙う(局地戦)
継続性のある贔屓客を増やす。顧客ニーズを把握し一人一人と向き合う(接近戦)
戦うライバルが少なくなるように(一騎打ち)
小さいセグメントで万人受けを狙わず、そのセグメントに合った商品に絞って一点集中(一点集中主義)
強者のできないこと、やりたくないことをやる(陽動)

私がわかりやすいとおもった実例を挙げてみます。

■「弱者の戦略」のお手本:影山優佳さんのケース

日向ちゃんのメンバー影山優佳さん 影ちゃん は、2018年~2020年5月までの約2年間活動休止していて、復帰当時は弱者メンバーであったといえるでしょう。そして、復帰した直後に、自身もかつてプレーヤーであった大好きなサッカーをベースに、「サッカーとアイドル」という土俵(セグメント)を作り出し、復帰直後から自身のブログでサッカーのマニアックな情報をつづり、サッカーのことをディープに語れるアイドルとして認知され、元日本代表の内田篤人さんの番組に何度も呼ばれ、サッカー関連メディアにたびたび呼ばれるようになりました。こうなるとサッカーファンは影ちゃんに関心を持ち、話題にもなります。

最近では、AFCアジア予選応援アンバサダーとして影ちゃんのみならず、さらに二人のメンバー:東村芽依さん と、松田好花さん が任命されました。サッカーというセグメントに追加で2名のメンバーを見てもらう機会をゲットでき、グループのファンを増やす機会を得たことになります。

このように、影ちゃんは自分が創造したセグメントでナンバーワンになっているといってよいでしょう。活動休止していた2年間のブランクをあっという間に巻き返し、メンバー2名の売り込みまで成功させ、勢い止まらず、演者として映画に出演し、6枚目シングルでは2列目のポジションをゲットしています。

■影山さんの戦略分析

サッカー市場という大きくないが小さくもない市場で【局地戦】、サッカーに詳しいメジャーアイドルが不在(いるとすれば小柳ルミ子さんとかですかね?)で、ライバルがいない状況を選び(一騎打ち)、ブログを使ってサッカーに関する情報を継続的に提供することでサッカーに対する熱量を、ファンに直接アピール(接近戦)、ファンから拡散してもらうことでオンリーワンの存在となったといえます。

影ちゃんがこういった戦略を意識してやったかどうかはわかりませんが、サッカー大好きで解説ができるほどの力量を持っていて、これを確実に活かしています。もしかしたら事務所のプロモーションがあったのかもしれませんが、影ちゃんのサッカーに対する熱い想いと力量が無ければ成り立たないでしょう。

■乃木坂46 山崎怜奈さんのケース

上のインタビュー記事のなかで、大学入学当時は「舞台がやりたい」「お洋服のモデルがやりたい」といった夢をノートに書きこんでいた(が、今は全く違う仕事をやっているけど今の生き方が楽しい)という「ブラックノート」の件があります。この大学入学当時の夢って、いわゆる強者メンバーのようになりたいという夢ですが、何をどのようにやれば成果につながるのか、上にあがりたいけど何が上なのか、と、かなり迷走をしていたようです。

山崎怜奈さんは「アイドルとして劣等生」とも言っています。そこで、「好きなことをしよう、他の子と違う土俵で戦ってみよう」と思ったとの事です。

これって、ライバルが少ないセグメントを切り出してそこで戦うってのと同じことだと思いました。山崎怜奈さんは知ってか知らずか「弱者の戦略」で戦って現在のポジションをゲットしたといえます。

じゃあ、私の応援するまなふぃは弱者の戦略としてどのようなセグメントを切り出してきて戦えばいいのかを考えてみたいと思います。

(つづく)



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思わず笑ってしまうような素人の哀れな思考を書きたいと思っているんですが、なかなか書けないものですね。無意識にカッコつけちゃってるのかもしれないなあ。