換気扇の鳴る部屋で

消し忘れた
換気扇の音が張り付く部屋で
この上なく安息で穏やかで

空気の様な生ぬるさを身に纏う
優しい優しい真っ白なこの部屋で

茶トラがニャアと擦り寄り
鳴いている


全ては一片一片この御心の
瞬間風速の赴くまま

生ぬるい螺旋を辿るこの日々で
今日も今日とて
この思考と他ならぬこの日々を
くちゅくちゅと
かき回してかき回して
溶かして交ぜて爆ぜていく

つけたままの換気扇が
日々鳴り止まぬ穏やかな静けさに

未だ未体験の歓喜な日々
でこの御心が震えるほどの
嵐の前の静かさで

背中の後ろ
じわりじわりと張り付く様な
漠然とした得も言われぬ焦燥感

繰り返し繰り返しこの先の
繰り返して繰り返すこの日々も

依然として夏休みが
ずっと続いているかの様な


あたたかな緩やかな怠惰な
時間にくるまれてるそんな気分


消し忘れた
換気扇の音が張り付いたとて
この上なく安息で穏やかで

空気の様な生ぬるさを身に纏う
優しい優しい真っ白なこの部屋で

茶トラがニャアと擦り寄り
鳴いている


未だ未体験の歓喜な日々
でこの御心が震えるほどの
嵐の前の静かさで

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自由律俳句

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