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回想録「アンリミテッド:サガ」:400ターンかけて登った塔の宝が木っ端微塵に爆発した話 #サガ30周年

一期崎火雀です。

「#心に残ったゲーム」のお題でなんかいい感じに心が温まる話でも書こうかなと思ったのですが、思い出したのがよりにもよってこの話。SNSで散々こすったネタですが、サガ30周年となるこの機にnoteに書いてみようと思います。

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みなさん、「アンリミテッド:サガ」というゲームをご存知でしょうか?スクウェアエニックスが合併する前の旧スクウェア社が出したRPGで、ご存知サガシリーズのひとつです。しかしボードゲーム風のマップ、リール式の戦闘など前衛的なゲームシステムに加え、システムの説明不足と全く情報量のない説明書によってながらくクソゲー扱いにされていました。

アンサガ

一方で、真の説明書とされる攻略本「解体真書」やネットでの解析により本作の深みにハマった人たちも多く、近年のメディアの記事などでは再評価の動きも起きています。

そんなアンサガですが、筆者もまた発売当日に買い、まったく説明の足りないゲームシステムに混乱したプレイヤーのひとりです。“七大驚異”という伝説の地に挑むロマン、ワクワクするオープニングムービー、浜渦正志氏の美しい音楽――胸を躍らせゲームを開始してみたら、案の定、移動方法や回復方法すら全然分かりませんでした。

とにかくなんとかして遊ぼうと、ゲーム雑誌やテキストサイト時代のインターネットをあさり、わずかな情報を頼りに、どうにかゲームを進めようとした記憶が。後に発売された解体真書でゲームの全容を知った時は、まさに天啓を授けられたかのようでした。

そんな本作、印象深いシーンが山のようにありますが、その中でも特に忘れられないのが「リース・トーレスの塔」のシナリオ(クエスト)です。

伝説の魔道士が遺した塔と魔道板

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(解体真書より)

リース・トーレス……英雄イスカンダールを導いたとされる伝説の魔道士。彼は古龍ドラコ・アルケイオスの心臓を分割し「ドラゴンハート」として封じましたが、遺した財宝は他にもありました。それはリース・トーレスの塔の「魔道板」です。

この魔道板、本作の中でも厄介なシステムのひとつです。仲間が術を覚えるためには魔道版をスキルパネルにセットして術を使い続ける必要がありますが、そもそも魔道版自体がたまにお目にかかれないレアアイテム。しかもどんな魔道板かはシナリオ終了後に判明されるため、理想の属性やレベルの魔道版を手に入れるにはかなりの骨が折れる代物でもあります。

伝説の魔道士が建てたリース・トーレスの塔では、高レベルの魔道板が手に入る可能性があり、時には超レアな「禁呪の魔道板」すら出ることもあるそうです。上級プレイヤーはこの塔を何度も登ったとか登らないとか……。

しかし主人公ローラの初回プレイ&解体真書もまだ持っていなかったであろう筆者は、そんなありがたみがあるとは知らず、宝の噂に釣られて登ることとなりました。

待ち受けていた悪夢

リース・トーレスの塔は「七大驚異」ではないものの、攻略制限ターンが400ターンと非常に長く、難易度も★4と、ゲームに慣れ始めた頃のプレイヤーが挑むであろう大型のシナリオです。

制限400ターンは伊達ではなく、強敵と戦ったりワープしたりトラップに引っかかったりと、巨大な塔に右往左往。しかし奇怪なシステムにボコボコにされてきた分実力はついていたようで、険しい道乗りながらも、着実に塔の上部へと登っていきました。

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最後に守護獣たちを倒すと、いつの間にか一階にワープ。この塔、入り口に開かない宝箱がぽつんと置かれており、上層でその封印を解く仕組みとなっていたのでした。しかしまだ宝箱を“開ける”という作業が残っています。

本作、フィールドでの行動中もリールが回転するようになっており、例えばトラップに引っかかったときもリールの出目で罠が発動するか回避するかが決定します。○なら成功、×なら失敗、爆弾マークなら大失敗……ただし習得しているスキルパネル次第ではこの罠を回避しやすくなることも可能です。(ここらへんはテーブルトークRPGのダイスと近いです)

で、安全に宝箱を開けるには罠外しの成功が必要。ここまで何度か罠を発動したこともありましたが、それ以上に多くの宝を得てきたことも確か。罠外しのスキルパネルもある。ここまで育ててきた仲間を信じ、慎重に罠を外します……。


……


宝箱レベル99!爆弾!失敗!成功!爆弾!爆弾!爆弾!

いや爆弾多ッ!!!



祈りは虚しく、宝箱は爆発。木っ端微塵に粉砕される魔道板。そのままシナリオが終了し、リザルト画面へ。


……


……



みなさん、これがアンサガです。


これもひとつのサガ

これのエピソードだけでも「クソゲー!」と言われてしまいそうですが、むしろ結構楽しかった思い出として残っています。理不尽な目も(多々)ありましたが、ヴェント編でなんとかゲームクリアまでたどり着きましたし。

その後、過去作のサガシリーズも遊び倒しましたが、忘れられないエピソードとしては不動の第1位。失敗っていうのは記憶に焼き付くもので、ロマサガ2のファンが七英雄前から逃げられなくなって詰む話を今でも語り継いでいる理由がよく分かりました。

サガシリーズは30周年で待望のサガフロがリマスター化されることになりました。アンサガももうすぐ発売18年目を迎えようとしています。サガフロはまだやったことがないので今から楽しみですね!



……いい話にまとめようとしましたが、そもそもタイトルオチです。ご清聴ありがとうございました。

画像:アマゾンいらすとやスクウェア・エニックス、アンリミテッド:サガ 解体真書

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