経営企画とはどんな仕事か?

「経営企画」と聞いてどんな仕事を思い浮かべるだろうか?予算策定をする仕事、中長期戦略を考える仕事、M&Aの検討をする仕事といったように、思い浮かべるもとは人によって異なるだろう。

日本総研が2016年に経営企画についてのアンケート調査を行った結果では、「主管部門として担当している」業務としては下記が挙げられた。見てわかるように、経営企画の業務範囲は非常に広い。

画像1

業務範囲は広いが、究極的には経営企画に求められる役割はひとつであると考えられる。それは、「企業が成長するために必要なことを主導する」という役割だ。

企業によって、成長するために必要なことは異なる。資金調達が必要な企業もあれば、ガバナンス体制を刷新する必要のある企業もあれば、新規事業の立ち上げを行う必要のある企業もある。こうしたことを主導するのが経営企画の役割だ。

そのため経営企画で重要になるのは、「企業が成長するために今必要なことは何か」を常に考えておくことだ。もちろん先ほど挙げたような大きな案件を主導することが重要な場合もあるが、売上の伸びの鈍化の原因が営業力にあるのであれば営業戦略の検討を行い、中途入社者のオンボーディングに課題があれば研修を企画実施しと、普段の業務の中でも企業が成長するために必要なことは転がっている。転がっているものをどれだけ早く見つけ、そしてそれに取り組む。最終的には経営企画が抜けても大丈夫な状態まで型化しておく。それが経営企画の一連の仕事の流れだ。

はっきり言って、経営企画の仕事に派手さはない。むしろ黒子になることが大事だ。経営企画が目立っている状態は健全ではない。目立っている状態では、経営企画が常に案件のボールを持ち続けてしまっており、他の重要な案件に手がつけられない状態を指すからだ。

黒子として仕事をするため、目立つことも感謝されることも決して多いわけではない。だが、全社を横断的に動きながら様々な案件に取り組む、この仕事の進め方は非常におもしろい。全社を横断的に動くため、あらゆるスキルや知識が求められる。「やったことがないからできません」ということでは、「企業が成長するために必要なことを主導する」ことなどできないため、常に新しいスキルや知識を身に付けていく必要がある。空手や柔道といった専門性があってもダメなのだ。ルールが存在しない総合格闘技を行うことが、経営企画なのだ。

感謝されることや目に見える成果がモチベーションになる人には、経営企画の仕事はおすすめできない。だが、全社横断的に動きながらあらゆる仕事をあらゆるスキルや知識を総動員しながら行うことがおもしろいと思える人、そんな人が経営企画に向いている。

経営企画とは「企業が成長するために必要なことを主導する」ことが役割で、ビジネスの総合格闘技だと私は考えている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?