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ずんだあん

家に冷凍の枝豆があったのでずんだあんを作った。

冷凍庫に余っていた枝豆で作ったずんだあんと同じくお正月のお餅の余りもの同士の組み合わせがおいしい。

ずんだあんを初めて食べたのは前職ぐるんとびーにいた頃だった。

ぐるんとびーに通いに来ているばーちゃん3人が東北出身だった。

1人は洋裁が得意というか雑誌にまで載っていた洋裁のプロ。

1人は男の子3人を育て上げたパワフル母ちゃん。

1人は精神疾患バリバリで旦那さんに暴力しちゃったり大変だけど人一倍感受性が高くて色んな事を言葉にして教えてくれたばーちゃん。

そんな3人が枝豆をただ塩ゆでして食べるのに飽きた頃、ずんだあんを作ってくれた。

皆、認知症で5分前の事すら忘れてしまうけど昔から手でやって来たこと、体が覚えてることはなかなか忘れない。枝豆、水、塩と砂糖、材料はシンプルそれをただただ撹拌する。その時は白玉粉とずんだあんの組み合わせだったかな。

確かに私はそこでケア職だったけれどこのばーちゃんたちにたくさんの事を教えてもらった。

いつも私の古着を直してくれたのもこのばーちゃんたち。
和食は甘味から味付けしないと味がうまく染みないことも
糸尻と言って陶器の底で包丁を研げることも
ホヤの食べ方を教えてくれたのも、
暮らしのいろんなことを教えてくれたのは
全部全部このばーちゃんたち。

認知症ってとことん今、この瞬間を生きていたり、
自分なりの大事な時代を生きていたり、
このばあちゃんが暴力や暴言、同じことを言う
その裏にあるものってなんなんだろうとか
考えさせられたり
意味のない行動は1つもないと教えてくれたのも
このばーちゃんたちだった。

ばーちゃんたち元気かなぁ。

読んでいただいて、ありがとうございます。 自分のために書いた文章が 誰かの心にも何か残ったら嬉しいです。