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ソウルの外国語表記から覗くおもろい動き3つ

日本に、外国語でもなんか書いてあったっけ…

みなさんは、毎日利用している電車駅やバス停にある標識板を意識して見ることってありますか。だいたい、駅名が書いてあったり、トイレや出口の案内が書いてありますね。で、何語で書いてあるでしょう…。

周りの日本人に聞いてみると、「日本語は書いてあるし、英語は確か書いてあるよね。ハングルもあるんだっけ…笑」という反応がほとんどでした。僕も今はあまり意識しないようになりましたが、大阪や東京の地下鉄や電車では、日本語と英語に加え、韓国語(ハングル)、中国語(汉语)での表記が普通だと思います。

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東京新宿駅構内
(日本語、英語、中国語、韓国語順)

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阪急電鉄車内
(日本語、英語、韓国語、中国語対応)

普通に日常生活の場に書いてあるのに、気づかないんや…と思ったのですが、ふと、韓国ってどんな感じだったんだろうと思うと、自分も今までまったく気づいてなかったことがわかりました笑。

で、この間、ソウルに帰った時、地下鉄の表記など、意識して見た結果、ちょっとおもろいことがありました‥ので、みなさんにも共有したいと思います。興味本位で読んでください。


ソウルの外国語表記から感じた3つのこと

①韓国語としての寿命が終わった「漢字」
もともと、韓国語の言葉や語彙は70%以上、漢字からきています。なので、3~40年前の韓国の新聞を見ると、助詞や外来語などを除く韓国語の言葉は漢字で書かれました(僕はまだ生まれてなかったんですが…)

それが、90年代頃からハングルオンリーになってきて、例外なケースを除くと、韓国語の表記はハングルのみになってきたのです。ただし、駅構内の標識板に関しては昔からの流れもあり、ごく最近まで「韓国語、英語、そして(韓国式の)漢字」で表記されてきました。(下記参照)

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確か、これが普通だった…

漢字を学ばないようになった韓国人も読めないし、日本人・中国人から見てもなんとなくわかるけどよくわからない漢字だが、なぜか使われてきたのです。

で、ここ数年でやっとこのように変わっています。

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韓国語、英語、中国語(≠漢字)、日本語(カタカナ)

韓国語の一部だった韓国式漢字の代わりに、中国語と日本語が併記されています。これは、今まで国語(韓国語)でもなく、外国語でもなかった漢字がその寿命を終えた象徴ですね。お疲れ様でした…(泣)


②台湾離れ? 大陸中国の勝利?
韓国語の一部として使われていた漢字。
実は、台湾で主に使わている繁体字(≒旧字体)とほぼ一致します。
(例:日本と中国では国だが、台湾と韓国では國)

終戦後、中国(中華人民共和国)では従来の漢字を簡略化した簡体字、日本では新字体を定めたのですが、台湾は正統性を守るため、韓国では補助的な文字であるため、そのまま使ってきたと思います。(諸説あり)

今までは、韓国式漢字が併記されていたため、(別に狙ったわけではないですが)、台湾人から見ると、韓国では繁体字が使われている!と思われたらしいです。それが、最近の変化によって、韓‐英‐中‐日の表記に変わったので、台湾の方々から見ると、寂しく感じるかもしれないですね。(直近の中台関係を見ると、余計にそういうの思ってしまう)


③カタカナ表記しても良い時代
上の写真を見ると、駅名の発音に準じてカタカナで表記されている。
「それが普通じゃない」と思う人も多いかもしれないですが、その裏には多数の韓国人の意識が変化したという背景があると感じます。

一部ではありますが、昔から韓国に「日本コンプレックス」を持っている人は存在していて、ストレートで「にっぽんっぽさ」を出すことは、どうしても抵抗を感じたのです。なんで、昔、韓国でも流行ったポケモンのサトシはサトシではなく、ジウになるしかなかったと思います。(一例ですが)

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「読めないけど、特に抵抗はない」が主流になってきた

でも、毎日乗る地下鉄の駅に、カタカナがあっても、「まぁまぁ、そういうもんか」と思えるほど、日本をフラットな感じで見ているのが、今の韓国だと思います。


これからはどうなるんだろう

日本もそうなんですが、韓国も毎年ベトナム、タイ、中東などからの労働者を受け入れてます。エリアによりますが、韓国語より中国語やベトナム語が通じるところもあったりするらしいです。(確か、群馬のブラジル村もポルトガル語がむしろ日本語より通じるような感じだった)

今までの外国語表記が外国人観光客が観光しやすくするための対応であるとしたら、これからは日本に住んでいる(もしくは、韓国に住んでいる)外国出身の住民のための外国語表記がすごく増えていくと思いますし、もう既に増えていますね。

「韓国で、韓国国民として外国人労働者を見る自分」と「外国人労働者として日本に住んでいる自分」が持っている外国人の受け入れには、かなりギャップがあるのが事実です(すげぇ矛盾してる…)が、日本も韓国もこれから人口は減っていくし、今までいなかった誰かと一緒に暮らすためには、今までの日本らしさ、韓国らしさを崩していくしか無いか…という重い結論で、終わらせます笑。


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同じマレーシア人でも言語が通じない。
けど、なんとかしているマレーシアを思い出す。

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