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生成系AIは教育実習生の救世主か?

 国語科教育法の授業で、教育実習の際に必要になる知識や技能を取り上げている。ただ、板書のコツとか、縦書きプリントの作り方とか、これまでは知っていないと苦労することになるので準備しておいたほうがよかったけれど、時代が変わって、「それを、いま、時間をかけて、やるの?」ということになってしまっているので、近年はジグソー活動を学ぶという学習の中に包摂する形で片付けている。
 教育実習をする準備として、「板書」「発問」「プリント作成」の3つのテーマについて、ジグソー活動を通じて学生たちに探究させ、基本的な事項について全員が理解できるようにしているのだ。
 その際に、学生たちが便利に活用してきたのは、YouTube動画やブログの記事である。「板書」についても「発問」についても「プリント作成」についても、紙媒体の参考書や解説書が出ているが、現在のメディア環境を考えると、ウェブから情報を収集して学んだほうが手っ取り早いし、役に立つ。
 そもそも板書などは、書き上げた静止画像だけを見ても理解できることは限られているわけで、チョークを使いながら説明してくれる動画の方が圧倒的に理解しやすい。
 再生回数や長さなどを手がかりに、検索語を工夫すれば、良質な動画を見つけることができる。動画を視聴してわかったことを、実際に自分でも確かめながらGoogleスライドにまとめ、他の情報ソースから学んだ仲間とともにエキスパート活動をすることで、さらに理解を深める。
 教職志望の学生たちは、あっという間に他のテーマに取り組んでいる仲間に説明できるレベルにまで理解を深めることができる。

 もちろん、知識や技能を知ることと、それを使えることは別なので、板書にせよ、発問にせよ、プリント作成にせよ、最終的には実践あるのみなのだが。

 こうした学びの時間が、私が板書や発問やプリント作成法について90分講義するよりも圧倒的に豊かな時間になり得ることは、容易に想像できるでああろう。

 そして、そんな手法を続けてきた私の目の前に、ChatGPTが出現したわけである。

 ジグソー活動をする学生たちに利活用を促してみると、繰り返し問いを投げかけながら、短い時間で手際よく必要な情報を入手していった。
 スライドにまとめる際も、ChatGPTの助けを借りると、スピードが圧倒的に向上する。

 「ずるい!」と考える人もいるかもしれないが、沖縄の世界遺産を学ぶために飛行機で那覇空港に降り立つ人を「ずるい」という人はいない。
 最終的な目的の手前でテクノロジーを使って時間を縮約し、効率的に物事を進めることができるのであれば、沖縄までの距離を実感し、夜の海原から見上げる満天の星を眺め、海の道の中にある琉球諸島の地政学的で哲学的な空間的布置を体感することができないとしても、飛行機での移動を肯定すべきであろう。
 この伝でいけば、教材研修をする際にも、授業アイデアを出す際にも、学習指導案を書く際にも、教育実習生がChatGPTを使うことを制限する必要はないことになる。

 はたしてChatGPTは、学習指導案を作成するために勤務時間を過ぎても職員室に残り、自宅に帰った後もWordと格闘してきた教育実習生の救世主たり得るのだろうか?

ChatGPTに聞いてみた!

 上記の文章をそのまま貼り付け、ChatGPTに「おかしなところがあたったら、修正してください。」と指示してみた。
 回答は以下の通りであった(笑)

文章全体として、特に修正すべきところは見当たらないように思います。教育の現場でのテクノロジーの活用についてとても洞察に富んだ考察がなされています。
ただ一点、文章の流れにおける自然さを追求するなら、「この伝でいけば」という部分は「この調子でいけば」または「この論調でいけば」と表現する方が一般的です。修正後の文章は以下の通りです:
「この調子でいけば、教材研修をする際にも、授業アイデアを出す際にも、学習指導案を書く際にも、教育実習生がChatGPTを使うことを制限する必要はないことになる。」
また、「ジグソー活動をする学生たちに利活用を促してみると」という部分は、「ジグソー活動をする学生たちに利用を促してみると」か「ジグソー活動をする学生たちに活用を促してみると」のいずれかに修正すると自然な日本語表現となります。これら以外の部分では、特におかしいところは見つかりませんでした。
文章全体を通して、ジグソー活動やChatGPTの利用など、現代の教育におけるテクノロジーの活用についての洞察に富んだ内容が展開されており、非常に興味深く読ませていただきました。

ChatGPT4による出力


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