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FigJamもmiroもJamboardの代わりにならない

昨夜、2つのイベントがありました。
どちらも「ポストJamboard」をにらんだものでした。
駒田先生からの呼びかけに応じて開催したのが、Canvaのホワイトボードを紹介するイベント
たまたま同時刻にGEG Kobe が企画していたのが、FigJamのイベントです。
関心を持っている方がどちらのイベントにも出られるように、当初は午後9時〜の予定だったCanvaのイベントを午後8時〜に変更し、60分できっかり終わらせました。

これからポストJamboardがどうなるのかは、まだまだ不透明ですが、2つのイベントに参加し、CanvaのホワイトボードとFigJamを触ってみて感じたのは、どちらもJamboardをそのまま代替できるわけではなく、むしろ大枠のところで性質が異なるものであるということでした。

Jamboardに墓場行きを宣告した背景には、Google Workspaceを使っているビジネスの世界において、無限のキャンバスと使いやすいテンプレート、投票などの高度な機能を備えたアプリが普及し、Jamboardの地位が急激に低下したということがあるようです。
無料で使えるGoogle Workspace for Education の世界では、Jamboardはむしろ活用が進んでいたと思われますが、Googleという営利企業にとっては、こうしたアンバランスは、望ましくない状況だったのでしょう。

触ってみるとわかりますが、FigJam とか miro は、大人同士のリモートワーク向けです。もちろん、Canvaのホワイトボードも。

メタバース的なテイストの空間で、テクノロジーに慣れ、他者と柔軟にコミュニケーションを取ることができる大人が、複数のチームを並行して走らせながら、オンライン、オフラインを問わずプロジェクトを進行していくときに、最大限の威力を発揮します。

一方で、コロナ禍がおさまり、対面の教室空間で、まだまだコミュニケーション能力を成長させているさなかにある児童生徒が、教師の監督下で協働的な学びをする場合、FigJam や miro の自由度の高さが、そのまま導入コストになってしまうところがあります。

ありていに言って、Jamboardの方が管理しやすいのです。

いや、教室においては、Jamboardですら、児童生徒が「やらかし」やすいツールとして、教育ICTに慣れていない教員にとって、危なっかしく、警戒されがちでした。

したがって、Jamboardだけはようやく使えるようになったテクノロジーの導入に関して慎重派だった教員に対して、「FigJamがJamboardの代わりになるよ」などと不用意にアドバイスするのは危険です。

導入して使ったとたんに「なんだこれ? こんなんじゃ授業にならない。やっぱりICTはやめよう!」ということになりかねないからです。


      未

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