”共感覚”と付き合っていく。数字が色で見えて、やらかした話。
数字が色で見える。
これを「共感覚」というらしいです。
共感覚(シナスタジア、synesthesia)は、ある刺激に対して通常の感覚だけでなく、異なる種類の感覚が不随意的に起こる知覚現象。
物心ついたときから、私は数字に色がついて見えていました。
文字は黒く印刷されていることがほとんどなので、基本的には黒いんですが、パッと見た時に色を”感じる”んです。(自分でもうまく言語化できないけど)
といっても、日常生活で特別いいことがあるわけでもなく、自分の周りがちょっとカラフルになるくらい。
別に数学が得意なわけでもなく(なんなら38点取ったくらい苦手)、つまるところ、支障もないけどなんの役にも立たない!
今まで字に色がついているということについて話す機会もなかったので、特に深く考えたことはありませんでした。みんなも同じように色が見えている、と思っていたからです。
初めて自覚したのは、大学生になって、授業で「数字が色に見える人も、たまにいるんです」と聞いた時。
「…え?マイノリティなの?私の目って変?」って思ったのがきっかけでした。
最近になって、初めて数字に色がついて見えることを母に言ったら、第一声は
「え!!それドランクドラゴンの塚地もだよ!」
でした。
え、そこ!? 初耳だけども!
塚地に初めて親近感覚えたわ。
数字と色たちの関係
ちなみに、私が見える色は、
1は白/赤。2はレモン色。
3は薄いピンクで、4はオレンジ。
5は群青色。6は水色。
7は4と一緒でオレンジ、でも時々茶色にもなる。
8は深緑。9は灰色で、0は白(半透明)って感じです。
4と7は、同じオレンジなんだけど、この2つの数字が並ぶと、7は茶色になります。
5と6も、同じ青い系統なんだけど、並ぶと6の方が相対的に薄くなる。
1も色が変わる数字。経験上、1は0と隣になった時に、赤になるようです。それ以外は白。
…ややこしや。
「逆に色を見たら数字を感じることはないの?」って親に聞かれたんですが、ないです。
私の場合、数字を見たら色を感じる、の一方通行。
色から数字は見えないですなぜか。塚地さんはどうなんだろう。(気になる)
小学生の時に「好きな数字はなに?」と聞かれたら、私は決まって「27」と答えていたなぁ。私の中で好きな数字を聞かれることは、好きな色や色の組み合わせを聞かれていることと同じ。レモン色とオレンジの組み合わせが好きで、そう答えていました。
「89」が好きと言った子に対して、「こんな悲しい色(深緑と灰色)が好きな人もいるのかぁ」と思っていました。
3×9=27
パレット上だと、ピンク(3)と灰色(9)を混ぜると絶対暗めの色になるはずだけど、こういう計算式に乗せて掛け合わせた途端、レモン色(2)とオレンジ(7)というパッと明るいビタミンカラーになるのが、たまらなく好きだったんです。
絵の具では絶対に作れないマジックが起きているようで、なんだかわくわくしていたのを覚えています。
電話番号や誕生日、カードの番号などを見る時、なんとなく全体的に暖色系だな、寒色系だな、うわぁすごい綺麗、気分落ちる色だなこりゃ、と頭を使うわけでもなく瞬間的に感じます。快・不快の感情も、そこまで強くはないですが、付随的に生まれたりします。
6と2と8が並んだりすると、「ルワンダ」を思います。国旗はこれ。
5と2が並んでいると、青に黄色の十字が描かれている「スウェーデン」を思い出すし、
478を見ると、オレンジ・茶色・緑なのでみかんの木が思い浮かんだり。
4545とかだと、オレンジ・青・オレンジ・青でうるさいな(色的に)、って思います。
2323とかは、レモン・ピンク・レモン・ピンクなので、のほほんとしてて目に優しいです。
歴史の年号も、語呂合わせと一緒に色の配置で覚えていて。
例えば、1582年の本能寺の変。
「明智光秀、いちごパンツ」って覚えてたんですが、色の並びは白・青・緑・黄で、いちごの赤が入っていないからなんか覚えにくいなぁって思ったり。(つべこべ言わず覚えろやってかんじですが)
そして、悲劇は起きた。
まぁそんな、可もなく不可もない感覚と約22年付き合ってきたわけですけども、この前人生で初めて、悲劇が起きました。
数字に色がついていたがゆえに、やらかしてしまった話です。(数字が悪いみたいな言い方だけど数字は悪くない)
家族旅行中、同じツアーに新婚夫婦がいらっしゃって。
「わぁいいですねハネムーン!楽しみですねぇ!」と和気あいあいと話していたんです。
「いつ頃ご結婚されたんですか?」って聞いたら、「5月です!」と言われ、
0.4秒くらいの間に頭の中にまず「5」が浮かびました。
その「5」はくっきりとした青。ブルー。
そして「5」の横にあった「結婚」「マリッジ」という言葉と結びついて、
「おお〜!!マリッジブルーですね!」
って、ものすごい笑顔で言ってしまったんです。
一瞬、自分でも「ん?」となり、その瞬間
うっわほやほやの幸せ順風満帆な新婚さんから一番遠い言葉且つ一番言っちゃダメな言葉を、初対面数分で切り込みにいってしもた嗚呼!!
と気づいたが、時既に遅し。
「ごごごごめんなさい、なんでこんなこと言っちゃったんだろう、本当はジューンブライドって言いたくて」
「ジューンは6月で、5月はメイですね^^」
…普通に英単語ですら間違えてた。ジ・エンド。
「カタカナ弱くて…もうすみません!」その新婚さんはめちゃ笑ってたけど、なんてことを言ってしまったんだという懺悔で私の心は溢れ返り、何度も謝りました。しばらくずーん…としてました。
マリッジと青く見えた5が結びついて、マリッジブルーという言葉になって出てきてしまったんだと気づいたけど、全く言い訳にならない。
脳みその伝達上手くいかなすぎ案件。
パッと見えた色が言葉になって他の言葉とくっつくことが、今後金輪際ないようにしよう。気をつけないと。と思った旅行でした。
これって後天的なの?
調べたところ、赤ちゃんは生後3ヶ月くらいまで、みんな共感覚を持っているらしいです(!!)でも脳の五感が時間とともに分化されていく中で、各感覚野をつないでる経路が分かれて、共感覚を失うんだとか。でも分化されて遮断されるはずの経路がなぜか保たれてしまった人は、共感覚を知覚し続けることになるんだって。
自分で自覚するタイミングは人それぞれ。
子供の時に、文字についている色の話をしたら通じなくて気づく人もいれば、大人になってから私のように共感覚という事象を知る人もいるようです。
音や文字にも、色を感じる人がいる。
音を聴くと色が見える「色聴」や、ひらがなやアルファベットなどの文字を見て色を感じる「色字」もあるみたい。
どのくらいの人が見えるんだろう?と調べてみたら、諸説あるみたいです。昔は1万人に1人という説もあり、最近は2000人に1人という説や23人に1人という説まで。
数字や文字が金や銀で見える人は、もう世界が金ピカ大御殿みたいなのかな。もし、数字に色が付いてるよ!って人がいたら、どんな色で見えてるのか知りたいです。
2020年は、明るい。
去年の2019は、私の中では黄色・半透明・赤・灰色だったので、決して綺麗とは言えない組み合わせだなと思っていたんですが…!
今年の2020は、黄色・白・黄色・白。明るい!スッキリしてる!
そうふと思って、このnoteを書こうと思いました。
感覚的なことを改めて言語化するの、超絶難しいな…
伝わらりきらないこともあるかもしれないですが、ここまで読んでくださりありがとうございます。
みなさんにとって、明日もいい1日になりますように!
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