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「みてるよ」制作ノート

 Pixivさんで、毎月「タテヨミチャレンジ」という企画を開催しています。今回6月のチャレンジで私の作品が当選いたしました。コンテストではなく抽選なんですけどね。

「タテヨミマンガ」とはGrobalでは「WEB TOON」と呼ばれる韓国生まれのコミック形式です。マンガと言えばページにコマ割りしてストーリーを描いていく、という形式なら皆さんご存じの事と察しますが、WEB TOONは文字通りWEBコンテンツとして、それもスマホで読むことを前提にした、縦長の
画像にストーリーを描いていくマンガです。

 強いて言えば「デジタル絵巻」ってところでしょうか。

 新しいコンテンツなのでまだ作品数が少なく、どんどん制作を奨励する動きが各所で見られます。漫画原稿をデジタルコンテンツに手直しするよりも手っ取り早いですからね。
 お小遣いもらって気を良くしたところで、今回第2弾として怪談モノを描いてみました。タイトルは「みてるよ」。

 いわゆるシュール系ホラーという内容ですが、怖いシーンを恐る恐るスクロールして覗いていく、という怪談ならではの愉しさを考慮してみました。 キャラクターの作画は、いつものSupernote A6Xを使ってと、タブレットPCで描いたものの2つを使い分けています。

 今回、タブレットPC用に新しいアクティブペンを導入しました。DELLのPN5122Wというペンです。

 これまでWACOMのBAMBOO INK:CS323AG0Cというアクティブペンを使っていたのですが、どうにもパームリジェクション・エラーを頻発するので難儀しておりました。パームリジェクションとは、タブレットPC上でフィンガータッチとペンタッチを分けて認識する機能で、私の環境では誤認識によるハングアップを起こして何度も作業中断する不具合に悩まされていました。思い余ってWACOMペンの上位機種、BAMBOO INK PLUS:CS322AK0Cを買い求めてみたのですが、今度は描線にジッターが出て使い物になりません。
 ジッターと言うのはまっすぐ線を引いたつもりがユラユラ曲がった線になるエラーで、主に画面ノイズによる不具合です。電力を使って昇圧したアクティブペンでしたが、却ってジッターが出やすい傾向になってしまい、WACOMのAESやMicrosoftのMPPを使ったPCでイラストを描こうという方は、徐々に減ってきている様です。

ジッターの様子。旧式のEMRペンの方がジッターが出にくい傾向にあります。
DELLペンでもわずかに揺れていますが、まぁ実用の範囲内といったところです。

 しかしながらBAMBOO INK:CS323AG0Cは充電式ではなく電池を用いる方式のためか、ジッターの出にくい傾向にあってその点では評価できるものでした。あとはパームリジェクションさえ解決できれば・・・という流れで購入したのがDELLペン、PN5122Wだったという訳です。

 WACOMさんとしてはAESはオワコンと捉えているのか、新製品の投入される様子はなく現在のところサードベンダーで採用されるに留まっています。DELLペンはその中で後発にあたる製品だったようで、潜在的な不具合を解消して市場に投入されたと考えられます。
 まぁ、開発はWACOMでやったんでしょうねどね。

背景&プロップは3DCGで。俯瞰で見るとミニチュアみたいだ。

 舞台となった教室のシーンは、3DCGを使って作成しました。ビューワーを使ってPDFで出力し、それをPhotoShopで取り込みます。
 モノクロの漫画原稿は印刷を考慮してA4ないしB5サイズ、解像度600DPIが原則となっています。WindowsPCにデフォルトで組み込まれているPDFドライバは150DPIに固定されている様なので、漫画原稿には不向きと考えていました。そこで見つけたのがCubePDFというフリーソフトです。

 CubePDFはDPIを72~6,000DPI(!)の範囲で任意に設定できる優れもので、漫画原稿の作成に重宝しています。ちなみに3DCGのビューワーにはDASSO社のeDrawing Viewerを使っています。3D-CADではよく使われるigesやstepといった共通フォーマットが使えて、且つ線画で表示できるのでモノクロ漫画には好適、という感じです。

 またタテヨミチャレンジに投稿して小金を稼ごうかとも考えたのですが、折よく「朝日コミックス大賞2024」の公募が始まったのでソッチへ応募することにしました。

 もちろん受賞者は印刷用のマンガ原稿提出が求められるのですが、一応ページ分割できるよう配慮しながらも「タテヨミマンガ」形式で投稿しています。

トイレ?我慢はいけませんよ。

 マンガと知りつつも、ぎょっとしますよね、生首って。(汗

【追記】
「朝日コミックス大賞2024」ですが、応募規定を読み返したら「キャプション必須」になってたので慌てて修正。
マンガのコンテストではあまり見ないので、間違える人が多いかも。
小説コンテストの経験しておいて良かったなぁ。

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