【舞人形】制作ノート
創作の神様とは意地悪な方で、こちらがお会いしたい時に出てきてくれる事はほとんど、ない。暮れも近づき、そろそろ年賀状の用意を考えるのだが、どんな図案にしようかサッパリ思いつかない。とは言え行動に出ない限りは成果にはつながらない。とにかくペンを握ってあれこれ走らせていると、晴れ着の少女のイメージがなんとなく浮かんできた。しかし、このトシでファンシーな年賀状もねぇ?じゃ、無機質な感じにしてサイバーパンク的なのはどうだろう?とぼちぼちアイデアがまとまった。
早速メインのラフ画は描けたけど、周りはどうやって埋めていこう?ついでに振袖にも和風っぽい柄をつけたいよね?とか欲が出てきて遅々として進まない。正月なのだから、振袖は艶やかに赤、とくれば柄は対比で黄色にして・・・銀杏なんかどうだろう!とようやくアイデアがまとまる。風に舞う銀杏と重なる少女の舞。うん、イイじゃない。
と、ここで銀杏のパターンをAbaqusでこさえてみよう、と思い立つ。扇状の円弧に細長い茎をつければソレっぽく…ならなかった(汗。なにか三味線のバチっぽいな。ここでまたひとつ思案する。よしそうだ、ノッチをつけたらソレっぽくなるのでは?
銀杏のデザイン画は、CorelCAD2021を使用。2次元CADは仕事でAutoCADを使ってますが、何年か前に業務が立て込んで自宅お持ち帰りの憂き目に遭ったとき、ダッソーシステムズのDraftSightってCADを試用することに。これがAutoCADとファイル形式はおろか操作まで完全互換な代物で、気を良くして懐に余裕のある時にサブスク年間契約を。イザとなったら背水の陣が自宅で敷けるというのは心の余裕を生むもので、年間で福沢先生と夏目先生x2など安いモノだと思っていたところにソースネクストからCorelCAD2021を半額で~とDMが。中身はまんまDraftSightで永久ライセンスがこのお値段?!迷わず購入したけど、きっと2つとも中身はAutoCADから提供を受けてるんだろうなぁ。
作成したデザイン図をDXFに変換してAbaqusにインポート。ちゃんと一筆書きになってないとモデル化の時にはねられるので、2次元CADでクリンナップしておきましょう。
モデル化したら例の如く衝突解析。でも何か、舞い散るイメージとは行かないな。いったい何が悪いのか・・・そういえば銀杏の葉って、もう少しこう、反ってるモノじゃないのかな?ちょっと曲げたモデルにしてみよう。
フラットなシェルモデルを曲面にするには?
いったん図形を押し出してソリッドモデル化し、続いて側面からRをつけてカット、仕上げに「ジオメトリの編集」というコマンドを使って余計な面を削除します。うん、なんか雰囲気良くなった!
更に着物の柄に、DraftSightを使ってた頃に作成した小紋「矢羽根」を加えます。これはPDFで出力したパターンをPhotoShopで読み込み、psdファイルに変換します。クリスタもPDF対応してくれるとありがたいんですが、そこはAdobeさんも譲れないトコロらしい。
背景がちょっと寂しいので、ここもDraftSightで作成した小紋「紗綾柄」を3Dモデル化して貼り合わせてみました。2次元のままだとフラットな感じでもうひとつ面白くなかったもので。
こうしてようやくイラスト完成。
正月はとうに過ぎて雨水になってたけどw
創作の神様とは意地悪な方で、こちらがお会いしたい時に出てきてくれる事はほとんど、ない。
だから素材のストックは欠かせないのです。
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