思い出せない想い出。

#心に残ったゲーム

というハッシュタグをみつけた。

私の家庭は遊ぶ時は全力だが、それ以外はとても厳しく、俗世間から少し切り離された家庭環境で育った。

就寝時間は19:00。みてはいけないテレビも沢山あった·····と言うよりか、今思えば『こどもたちが』テレビを観る習慣が無く、学校で話が合わないことが多々あった。芸能界というものがある事も、中学に上がって初めて知った。某子供向けアニメはゲンコツや下半身を丸出しにするシーンがあるからなのか、私の家庭では観ることが出来なかったし、存在すら知らなかった。

ゲームなんて以ての外で、普段は野山を駆けずり回り、捕まえた虫同士をたたかわせ、公園でかくれんぼや鬼ごっこ、ケイドロをしたりクローバー畑で裸足で遊び回って過ごしていた。時には少し遠出をして防空壕を探検した。

小学校の高学年になると、周りがゲームを買い始め、アイドルに興味を持ち始めた為、話が合わないどころか、遊び方すら変わってしまった。そのため、兄弟を含む、近所の歳下の子たちと遊ぶことが増え、同年代の女子との関わりは減っていった。休み時間は男子に混ざってサッカーや鬼ごっこをしている方が楽しかったし、放課後は家に帰ってちびっこ達と遊ぶ···。そんな環境が好きだったし、なんの疑問もなかったしそれが良かった。

ところが、弟がゲームに興味を持ち始めた。友だちの影響だ。みんなでサンタさんにおねだりしたし、誕生日に親に頼んだこともあったが、ゲームを貰えることはなかった。家にはゲームは一生来ないんだと思っていた。

ところがサンタさんは本当にいるもんで、父の知り合いから貰ったという中古のものだが、ようやく我が家にもゲーム機がきた。

黒いボディで少し重たい。そう言えば充電器を刺してないといけなくて、よくコンセントの傍でいじっていた気がする。ゲームボーイのように手に持つタイプだがどちらかと言うとSwitchのような横に広いタイプだ。両親含む家族4人でよく「死に交代ね!」と言いながら死んだら交代、死んだら交代·····という感じで小さい画面を覗き込んでゲームをしていた。1時間だか、2時間だか、時間を決めて遊んでいた気がする。

ゲームというものを知らなかったから、夢中になった。

キュピーン という効果音と共に始まる。髪の毛というか、毛、というか頭がとがっていて、キツネみたいな顔のキャラクターを操作し、○形のコインを取りながら進んでいく。どんなゲーム内容だったかはほとんど覚えていない。だが、1番最後のボスがロボットみたいな物に乗っていて、モグラのように頭を出している。高くジャンプをしてその頭を攻撃しないと倒せない。そんなシーンがあったのはよく覚えている。

結局同じものを持っている友達がいないから話は合わないし、一緒に遊ぶことも出来なかったが、我が家はそれでよかったのかもしれない。仲が良すぎた。

ゲームのタイトルも、キャラクターの名前もソフトの名前も(ソフトという概念が無かったのでそもそもソフトがあったのかどうか)わからないが、文明の利器、趣向品、我が家に来た初めてのゲーム機は何も思い出せないが、その記憶だけはとても想い出深い。


(なんのゲームがわかる人がいたら教えて欲しい)

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