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noteで読書記録を初めてみた(い)

 最初に紹介する本がこの本でいいのか、と思わざるを得なかったけど、読むのを薦めたい本なのでまずはこれから。


書籍概要

本の紹介を主にしているわけではないので、リンクを貼ることにする。
hontoさんいつもありがとうございます。本を買うのにめちゃくちゃ助かってます。

あらすじ

 鬱屈した日々を送る大学生、筧井雅也(かけい まさや)に届いた一通の手紙。それは稀代の連続殺人鬼・榛村大和(はいむら やまと)からのものだった。「罪は認めるが、最後の一件だけは冤罪だ。それを証明してくれないか?」パン屋の元店主にして自分のよき理解者だった大和に頼まれ、事件を再調査する雅也。その人生に潜む負の連鎖を知るうち、雅也はなぜか大和に魅せられていく。一つ一つの選択が明らかにする残酷な真実とは。

ハヤカワ文庫 『死刑にいたる病』 背表紙より引用

感想

 そもそも猟奇殺人鬼題材のものを自分が読めると思っていなかったので、勇気を持って手に取った。映画化されて好きな俳優さんが出るらしいから、というきっかけがなければ手に取らなかっただろう。
 目を背けたくなることが次々と書かれ、筧井にとっても読者にとっても苦痛の時間が流れ続ける本ではあるものの、ページをめくる手が止まらなかった。知りたくない、でも知りたいの駆け引きがどんどん行われる。最後になれば、ここまで読んだなら全てを見届けたいとなり、あっという間に読了。結局、筧井とともに私も榛村に取り込まれてしまっていた。榛村にとってのどうでもいい手駒となってしまった。
 優しい人を見ているはずなのに、その人の温厚さが包み込んでいたものの残虐さを見せつけられ、「結局この世で最も怖いのは人間」の裏付けとなってもいい本である。数多の殺人を犯した人物なのに、垣間見える優しさが罠となって、私も「ちょっと信じてみるか…」と冤罪証明を手伝ってしまいそうだ。恐怖を読んでいるはずなのに、本から逃れさせてもらえないような体験をした。
 ちなみに怖気づいて、結局映画は見れなかったし、この本をきっかけにシリアルキラーものにハマってしまったがために、部屋の本棚にはカバーがかけられた本が多く並ぶようになってしまった。

 友人に「なにかいい本ないかな」と言われたときに、「『死刑にいたる病』いいよ」と言える人にはなれなかった。「私もずっと手に取るの迷ってて、グロいのが苦手なら読まない方がいいんだけど、でも試してみたいなら」と非常に丁寧な保険をかけて薦めることしか出来ない。
 ということで、残虐行為があるから苦手なら薦めないが、熱中して3日で読み終わるぐらいには私は面白かったし、映画化もされて話題にもなった作品だったから、気になるかも…と思ったならぜひ読んでみて欲しい。

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