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○○だから●●しよう。の考え方は本当に正解か

こんにちは。のんです。

先日本屋をうろついていました。
その時に気になったタイトルの本を見つけたので購入しました。 

データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)

作者: 伊藤公一朗
出版社/メーカー: 光文社
発売日: 2017/04/21
メディア: Kindle版
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 データ分析の力 因果関係に迫る思考法
伊藤公一朗 著/光文社新書

 数式や解析の詳しい原理の解説ではなく、実際の事例からどのようなデータ分析を行ったのかの説明が中心です。統計解析を全くやっていない方でも比較的読みやすい、入門書的な立ち位置だと思います。

 

 

因果関係を見極めることは難しいという話から始まります。
以前、こんな話を耳にました。

ある会社員が朝早く出社して仕事を始めた(朝残業)。するとその社員の成績が劇的によくなった。社長はこの事例に着目し、社員全員の出社時間を早めた。結果、先の成績の良かった社員のパフォーマンスは低下し、他の社員のパフォーマンスも低下。全体ではマイナスになった。

この話では、
朝残業(原因)→成績が向上(結果)
という前提があります。しかし、それが正しいのか。この話のオチとしては、その社員が
朝残業(原因)→静かな環境で作業する(前提では考慮されなかった要素)→成績が向上(結果)
という事がわかりましたとさ。

 似たような話が本書の中でいくつか紹介されます。意外と「○○だから●●しよう。」と安易に決定している場面が身の回りに多くありそうです。著者も前書きで記していますが、データ分析は理系文系関係なく必要な場面が増えてくるとしています。そのためには因果関係の考え方をしっかり…という話でしょう。先ほどの例のように、統計とプログラミングを勉強してデータ分析を!とまではいかなくても、原因と結果を組み立てる思考方法は、年齢・文系理系関係なく重要な存在になってくるのではないかと感じました。

 

中盤には具体的な事例と代表的なデータ解析方法が紹介されています。理系や臨床研究でおなじみのRCT(ランダム化比較試験)やRDデザインなどのわかりやすい解説がありました。後半はビジネスシーンへどのように使っていくかにも触れています。

いずれも具体的な事例と解説ではありますが、読みながら自分で考えることで考え方のトレーニングになるのではないかと思います。

最後に
「○○だから●●しよう。」という話は身の回りに多く存在すると思います。その結論に達する前に、考え直す作業は置き去りにされているのではないかとも思います。考え直すきっかけ、どのように考えればい良いのかを示す手掛かりに本書はなるかもしれません。
また、データ分析の方法は様々あります。それでも完全に精密で正確な分析というのは難しいものです。数学的な理解まではいかなくでも、分析の長所・短所を知っておくことで、結果を読み解く力が付くと思います(個人的には世論調査・通販番組での使用実感アンケートなどは前提条件を考え直すいい練習台きっかけだと思います)。

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