食べ損ねた後悔
先日、とある県に一人旅に行ってきた。
1人でホテルに泊まるのは寂しいので、
まだ宿泊付きの一人旅はしたことがない。
つまり夜行バスを使って
0泊で帰ってくるパターンである。
その日もバスまでの時間を
駅前の居酒屋でつぶしていた。
そのお店はご当地の美味しいものが
食べられると有名なお店だったので
ぜひ行ってみたいと思って目をつけていた。
1人なのでカウンター席に座るが
1人なので、いろいろ頼んでも食べ切れないし
高額になってしまう。
何を頼むか厳選に厳選を重ねる必要があった。
お刺身食べたいなぁ。でもおでんも食べたい。
でもでもそんなのどこでも食べられるから、
やっぱり地元のものを…と見ていると
ん、のどぐろのお刺身?
のどぐろのしゃぶしゃぶ?!
めちゃめちゃそそられるが
まあまあなお値段のメニューを発見。
1人で頼むのはちょっと勇気がいる金額だ。
でもこれだけを一点集中するなら、
頼めなくない金額…迷う…でもなぁ。
これだけじゃなくてあれも食べたいしなあ…
と延々メニューとにらめっこすること30分。
突き出しをすぐに食べ終えてしまうと
次を注文しなければならなくなるので、
ゆっくりゆっくり味わって
決断を先延ばしにしていたら
隣の方から「お姉さん」と呼ぶ声が。
なんと、同じカウンターに座っていた男性に
声をかけられた。それまでもなんとなく
こちらを気にしていそうな雰囲気だったので、
予想通りと言えば予想通りだが、
こういうシチュエーションが初めてだったので
(こういうことって起きるんや)
というのが第一印象。
その男性からは次から次へと
お決まりのセリフが出てきて
(ドラマのようや、履修済みやわ…)と思いつつ、
初対面の気安さで、
こちらもベラベラと話を合わせることに成功。
こんなふうに会話できるようになったことに
自分の成長を感じて褒めてあげたくなった。
結局その人が頼みすぎた料理を譲ってもらい、(正直あんまり食べたいものではなかったが)
ありがたく完食し、名刺までいただいてさようなら。
バスまでの時間がいい感じに潰れてよかったよかった。
やっぱり1人で居酒屋に来るのは
なかなか厳しいものがあったなぁと思って、
会計しようとすると、店員さんから
「先程の方がお客様(私)の支払いも
済ませて帰られました」と告げられる。
え…
いや、ちょっと期待しなくはなかったけども。
そんなことが起きればラッキーとは思ったけども!
こんなことって起こるんやな…(2回目)
でもな。それなら先に教えて欲しかった。
それならのどぐろ頼んだのに!!
のどぐろ食べておけばよかったーーー!!!
ほとんど何も頼んでいなかったから
私の会計めちゃくちゃ安かったでしょうね!!
はあ〜こうなると分かっていれば…
痛恨のミス!!
奢ってもらっといてだが、
のどぐろを食べ損ねた後悔が押し寄せ
感謝が薄れていく。
食べたいものは躊躇せずに頼むべし
という教訓を得て、バスに向かったのでした。
ごちそうさまでした…
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