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「人は、したたかで優しい生き物」と教えてくれました

平岩弓枝さんの作品を読み始めたキッカケは、テレビドラマ(1977年~1985年)でシリーズ化していて、それを見て、興味がわいて小説を読み始めたと覚えています。

祖父母が見ていたドラマを一緒に見ていたので(あの頃、テレビはリビングにしかなかったのです)。

平岩弓枝さんの作品は、母も好きで親子でまわし読みをしていました。

その中で、私が気に入っている作品の一つが「花の影」です。

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主人公:佐保子の生涯を綴った物語。
本文「はじめに」で、桜の24時間を八つに分断して、十代から八十代までになぞらえ、描かれた物語 とあります。


平岩弓枝さんの作品は、したたかに生きる主人公が描かれているように思います。
「したたか」というと一般的には良いイメージではないと思うのですが、私は違うかなぁと思って辞書で意味を調べました。

したた‐か【▽強か/▽健か】 の解説
[形動][文][ナリ]
1 粘り強くて、他からの圧力になかなか屈しないさま。しぶといさま。
 「世の中を―に生きる」「―な相手」
2 強く、しっかりしているさま。「―な後見役」「―な造りの家」
3 強く勇猛であるさま。「力が強く勇気があって―な豪傑である」
出典:デジタル大辞泉(小学館)

佐保子が実家に戻るとき、実家を捨てるとき、結婚するとき、離婚するとき人生の様々な、場面で決断する心の内を読んでいると親近感を覚えてしまいます。

「分かるなぁ、私もそう考えるかも」とか「やっぱりそう思うよね」とか

我がままで自分中心に物事考えることは、悪いことと思われがちですが
自分が傷つかないように、防衛するのは当たり前だと思うのです。

「我がまま」と言われる私ですが、私の中のモノサシによって物事を判断しているだけ!「何が悪いの」と思ってしまいます。

このモノサシは、私が生きていくうちに憶えた経験やニュースから得た社会の常識、読書から得たものなど様々な情報から作られています。

したたか上等!我がまま上等!だけど、品性は無くさないようにと心掛けています。

ひん‐せい【品性】 の解説
道徳的基準から見た、その人の性質。人格。
「品性を養う」「教育者としての品性を疑う」
出典:デジタル大辞泉(小学館)

品性は、「豊かな生活」から生まれるわけではないと思うのです。
親や先生、友人、先輩、周りの大人 に影響を受けているように感じます。

私のモノサシはそうして作られたと思っています。

いくぶん都合よく湾曲して作られたものもあるとは思いますが(笑)

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平岩弓枝さんの作品は、品性をもったしたたかな女性を描いた作品だと思うのです。その中で私の好きな3作品を書き添えます。

「藍の季節」 文藝春秋 (1971)
「風子(ふうこ)」新潮社 (1978)
「花の影」 文藝春秋 (1981)


今人気の作品ではなく、今も読み返したい作家と作品を紹介しました。
興味を持たれたら、ぜひ手に取ってみてください。




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