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胸に痛い通知。

今年は本当にこういうことが多い。
東京のファイターズファン仲間が1月に亡くなっていたことがわかった。
享年40歳。

見た目はむさ苦しく禿げ上がり、どう見ても3つ上の自分のほうが若く見えるくらいのオッサンっぷりだった。
酒は飲む飲む、口を開けばエロ話。
彼が20代の頃から、清々しいほどのオッサンっぷり。

ファイターズの2軍本拠地の鎌ヶ谷スタジアムではちょっとした有名人で、選手や球団職員と仲が良かったり、2chに書き込まれたり。

見た目や普段の言動とは裏腹に、性根は優しく繊細な奴だった。
鎌ヶ谷ファイターズはほぼ毎年夏、北海道で試合を行うのだが毎年来ていた。

1回目のうつが発症した直後、2012年の夏に奴は来た。
たしか幕別で試合があり、そのあとに札幌の我が家で酒をかっくらって泊まり、次の日の夕張での試合に連れ出してくれた。

その秋にまた奴は来た。
2012年日本シリーズ、巨人対北海道日本ハム。第3戦から第5戦は札幌ドームでの開催。
その第5戦、4回表。
ピッチャーは多田野数人、バッタは加藤健。
いわゆる「頭部デッドボールの大誤審」である。
3塁側内野席の前方で2人でビールをかっくらいながら観戦していたが、どう見ても「当たっていない」のだ。
酔っていてもわかるくらいに。
それがデッドボールの判定になった瞬間、もう面白くなっちゃって俺のスキンヘッドと奴のハゲ頭をひっぱたきあった。

爆笑しながら。

この夏と秋の観戦費用や交通費は全部、奴が持ってくれた。

そんなことを一昨年までやっていた。

最後に会ったのは2018年12月。
池袋西口のHUB。
仲間内で毎年忘年会を行っている。
今でも。
もちろん自分は札幌に住んでいるし病気もあるから毎年は帰れないが。
その時にいつもどおり、頭の叩き合いをした。
去年、2019年の夏にも北海道に奴は来たがスケジュールがつかずに飲むことができなかった。

全く活用していないが、インスタグラムは一応インストールしている。
誰もフォローしていないが。
そうしたらフォローのおすすめ通知が来る。

奴の名前がそこにある。
もう更新されないであろう、たった1件だけのアップロード。
胸にチクリと痛みを覚えながら、1件から増えることのない奴のアカウントをフォローした。

馬鹿野郎。
俺より先におっ死にやがって。
だからお前はハゲなんだ。
近くない未来にそっちに行くときはその頭皮が腫れ上がるくらいにぶっ叩いてやる。
覚悟しとけよ。