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『アイデアのつくり方』(ジェームズ・W・ヤング)を読んで

「マーケティングについて学びたい」と会社のマーケターに聞いておすすめされた本。

100ページもないうっすい本。でありながら、タイトルの「アイデアのつくり方」はちゃんと書かれている。「ちゃんと」というのもハウツーのような書き方ではなく、哲学的に「つくり方の考え方」から説明される。

そもそも、「マーケティングについて教えてくれ」に対して「アイデアのつくり方はこうだよ」と応えてくること自体で思考法から教えられた形になる。「ハウツー」的な思考に毒されているのは僕の方だったわけだ。


以下、そのまま即使えるだろう箇所のメモ。

アイデアは新しい組み合わせである
さて前章に述べた二つの原理ーアイデアは一つの新しい組み合わせであるという原理と、新しい組み合わせを作り出す才能は持仏の関連性を見つけ出す才能によって高められるという原理を心に止めて、いよいよこれからアイデアを作る実際的な方法あるいは手順といったものを見ていくことにしよう。

『アイデアのつくり方』

大切なことはこれら五つの段階の関連性を認め、この五つの段階を私たちの心は一定の順序で通り抜けるという事実ー本当にアイデアを作成したいのなら、この五つのどの段階にもそれに専攻する段階が完了するまでは入っていけないという事実ーを把握することである。

『アイデアのつくり方』p33

以下、五つの段階を自分なりにまとめておいたもの、メモ。
この段階を意識し始めてから、特に三→四の部分で「無意識を武器化」できている感覚がある。

一. 資料の収集
特殊資料と一般的資料の2種類を集める。特殊資料とは、製品のターゲットの情報のこと。一般的資料とは、この世の様々な出来事(芸術や歴史、科学など)についての一般的知識のこと。特殊資料収集にはカード索引法が、一般的資料収集にはスクラップブックが役に立つ。

私たちは製品と消費者について身近な知識を持つことの重要性をたえず口にするけれども実際には滅多にこの仕事をやっていない。

『アイデアのつくり方』p34

二.心の消化過程
第一段階をやり遂げたら、次は頭脳に任せ、咀嚼の期間を設けることをする。バラバラの情報の「関係性」を求めるのに、「探す」のではなく「耳を傾ける」。この時、部分的なアイデアを全て書き留めておくこと。

やがて諸君は絶望状態に立ち至る。何もかもが諸君の心の中でごっちゃになって、どこからもはっきりした明察は生まれてこない。ここまでやってきた時、つまりまずパズルを組み合わせる努力をじっっ歳にやり遂げた時、諸君は第二段階を完了して第三段階に移る準備ができたことになる。

『アイデアのつくり方』p46

三. 問題の無意識化
第三段階では、問題を放棄し無意識の領域に移す。ここでは、他の、自分脳想像力や感情を刺激することをする。

大切なことは、この段階もまた前の二つの段階と同じように決定的な、不可欠の男系であるということを体得することである。

『アイデアのつくり方』p47

四. アイデアの到来
ここまでの段階を正式に踏んでいたら、休息とくつろぎのひと時を過ごす時、初めてアイデアは降りてくる。

私は一つのことをとことん考え抜くことができます、遂には完全な錯乱状態になってその考えを放棄します、するとその時になって何の明確な理由もなしに私の心に回答が飛びこんてくるのです。

『アイデアのつくり方』p50

五. アイデアの展開
せっかく生まれたアイデアも現実と合わずに消えていくことが多い。適合させるために、忍耐強く手を加え、協力を得ることが必要である。

良いアイデアは人々を刺激するので、その人々がこのアイデアに手を貸してくれるのだ。諸君が自分では見落としていたそのアイデアの持つ種々の可能性がこうして明るみに出てくる。

『アイデアのつくり方』p54

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