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アーティストとして生きる(その1)

「フラワーアーティスト」という言葉を私は今まで

自分を形容する単語としては違和感があって使ってこなかった。

アーティストというのは自分が表現したいものありきで

あるという感じがするが、わたしはそういうタイプとは

違うと思って来たからだ。

お客様のご要望をくんで、どういう効果をもたらしたいか

しっかりヒアリングして、それを期待以上の形で実現する。


それはアーティストというよりはデザイナーです。

と常々言ってきたのだが、そんな私が去年の秋に

フラワーアートを出展しないかというオファーをもらうことに。


オーダーメイド専門のプリザーブドフラワー&

アーティフィシャルフラワー専門店として活動してきたが

1人でやっている小さなアトリエだ。

寝耳に水で耳を疑った。


アートビジネスの世界には、正直いって疎い。

言ったもん勝ちの世界。というイメージ。

友人の個展等にはいくけれども、

知らないギャラリーなどは敷居が高くてなかなか。

人によって千差万別な感性をどうビジネスにするのか。

全然、わからない。というのが本音だ。


オファーが来た時は出てくれそうな人に、

たくさん営業電話かけてるんだろうなと思った。

うざい営業電話と捉えることもできる。

が、アートの世界に触れる経験もしてみたい。

という好奇心が上回った。

出す美術館は、上野の森美術館だ(!)

展覧会自体も、25回と長い実績がある。

毎年半分は昨年の出品者だそうだ。

広報、実績としてPRにはなるだろう。


先方でやってもらえる作業、手間を考えても、

来場者数を聞いても、ビジネス的にも悪くない。


子供が生まれて、どういう生活になるかは想像もつかない。

だが、出産という神秘的な体験をして、

子供が生まれた直後にどういうインスピレーションが

私の中に生まれるのだろうか?

それが私の作るものにどう影響してくるのか

みてみたい気持ちもあった。

記念碑的な作品を作り、誰かに見ていただくという機会を

持つというのも良いかもしれない。

第一、出展予定でもないと自分の作品はつくらないだろうと

思うと、私の置かれた状況において非常に魅力的ではあった。


ということで、妊娠8ヶ月くらいだった私は

2021年の2月半ばに行われる

美術展への出品を決断したのである。

コロナのコの字もなかった頃だったので

来場者数はきっと例年よりだいぶ少なくなる。

そこは見込違いだったけれども、

これは仕方のないことと割り切っている。


作品は、撮影、DM撮影、作品のハガキ製作等もあるため

今年の8月頭締め切りであった。

悩みに悩んだ末締め切りまで1ヶ月を残した7月に

ギリギリまで製作作業に打ち込んだ。


テーマを決め、それにふさわしい材料を集め

構成を考えて、実際に手を動かす。

日頃お客様と対峙しているが

おのれの内面と深く対峙する日々もわるくなかった。

息子が生まれたこと、子育ての中で感じたこと、

そして産後全く変わってしまった世界で

私は何を外の世界に伝えたいのかを必死で考えた。

コロナ禍で生まれた悲しい、分断。

世界が再び色を取り戻し、人種や国籍などにかかわらず

それぞれの個性が目一杯発揮できる美しい世界の実現を願って

フラワーアートを製作した。

見る人にその意図が伝わるといいのだけれど。


パッと見ただけでは伝えきれないと思うので

noteとして書いてみることにした。

どんな作品かは見てのお楽しみ・・・!


【肝心の展覧会の情報はこちら。】

「第26回 日本の美術 全国選抜作家展」

2021年2月11日(木・祝)〜15日(月)

@上野の森美術館


作品の写真が載ったハガキは会場で販売されます。

1売上金は(公社)日本ユネスコ協会連盟が

発展途上国に行う教育支援活動やその他慈善団体へ

寄付されるとのこと。


できる限り会場にいられればと思いますが

コロナの流行状況によるのでまた日程が近づいて来たら

おしらせします。













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